第4回函館市子ども条例制定検討委員会の会議録

 市の子ども未来部のHPに第4回委員会の会議録が掲載されました。今回の議事は、

(1)各委員からの子ども条例に関する考え方や意見について(説明)
(2)その他
(3)次回日程について

という内容で、3名の委員さんからの意見発表が中心だったようです。

 その中で、国連の子ども権利委員会の所見を取り上げて、「子どもの権利条約がもの凄い世界史的な要素を持っていると思うのは、今まで子どもは対象でしかなかった。だけど大人と一緒に生きている存在として今生きている子ども達なんだと。今生きている子ども達が、自分がどうありたいのか。どういうところで何を学びたいかということを言わせてあげよう。その子ども達の意見をちゃんと聞いてあげようという大人の発想がかわらない限り、子どもは苦しみ続けるのではないかと、僕は、そこが子ども権利委員会が日本の子ども達の現状を見て勧告した。考え直しませんか。ということだと思います。」と述べた委員さんがいらっしゃいました。(外務省の訳では、子どもの権利条約は「児童の権利に関する条約」、子どもの権利委員会は「児童の権利委員会」、勧告は「見解」となっています)

 この委員さんは、児童の権利条約はもの凄い世界史的な要素があり、その条約の委員会が日本の子供の現状を見て勧告した、と仰っていますが、これまでに拙ブログでみてきたように、児童の権利条約は、その成立過程においても保護を受ける権利からオートノミーの権利への紆余曲折があり、成立した条約自体が矛盾を抱えたものとなっています。

《拙ブログ》
◇テーマ「権利条約の成立過程」の記事一覧
http://kodomo-hakodate.at.webry.info/theme/69cc3a7c3d.html

 また、米国では、家族の価値を崩壊させるものであり、親が子供を育てる権利や責任と両立しないとして、いまだに児童の権利条約に批准していません。

《拙ブログ》
◇児童の権利条約に批准していない米国
http://kodomo-hakodate.at.webry.info/201104/article_2.html

 「子どもの権利委員会が日本の子ども達の現状を見て勧告した」ということについても、児童の権利委員会は、日本政府からの報告を審査して見解を出しているもので、その報告書作成にあたって、外務省の意見交換会が2つあった問題や、権利委員会の勧告がすり替えられていた問題について、或いは特定のNGOの意見が見解に反映されて、それが国内での条例制定に利用している構図についても以前取り上げました。

《拙ブログ》
◇児童の権利委員会への報告書を作成するための意見交換会が2つ?
http://kodomo-hakodate.at.webry.info/201011/article_6.html
◇ 国連の児童の権利委員会の勧告がすり替えられていた?
http://kodomo-hakodate.at.webry.info/201011/article_7.html
◇子供の権利条例の問題点⑤
http://kodomo-hakodate.at.webry.info/201102/article_3.html

 また、委員会からの見解については、法的拘束力を有するものではないという閣議決定がなされていることも以前取り上げた通りです。

《拙ブログ》
◇条約の批准と委員会見解(勧告)の履行義務
http://kodomo-hakodate.at.webry.info/201011/article_10.html

 このように、国連の児童の権利に関する条約は、決して絶対的なものではなく、様々な問題を抱えていますし、この条約を元にして制定された国内各自治体の条例も問題点があることはこれまで指摘してきた通りです。函館市の子ども条例が権利条例にならないことを望みます。

《拙ブログ》
◇テーマ「子どもの権利条例の問題点」の記事一覧
http://kodomo-hakodate.at.webry.info/theme/5327e6a2f4.html




 


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