函館市議会平成24年6月定例会での議論

 拙ブログでは、子ども条例に関する函館市議会での議論について、その都度取り上げてきましたが、今年の6月定例会の議事録が市のHPに掲載されましたので、その内容について見てみたいと思います。

 昨年6月の定例会では、市長が「子供の人権を尊重し、子供たちの健やかな成長を図り、幸せに暮らすことのできる地域社会を実現することを目的とする」「子供たちの健全育成に関するさまざまな観点から調査検討を進めて参りたい」、また、昨年9月の定例会では、市長が「市民みんなで、子供をいかにして未来に向かって希望を持って生きられるような環境を整えてあげるかということを考えるということで、私は子ども条例を提案しているわけでありまして、御指摘の権利権利だと、子供の権利だけだということで考えているわけではありませんし、場合によっては、したがって、私、権利条例という名前を使ってないわけでありますから、総合的に考えていく」と答弁されていました。

 一方で、今年2月の定例会では、函館弁護士会が立ち上げた「子どもの権利と法教育委員会」について、市長は「この委員会は、子供の最善の利益の実現などを目的としておりまして、法律家の立場で虐待あるいは不登校、障がいを抱える子供たちに関する問題に取り組まれていると認識しているところでありまして、今後の活動について私としても大いに期待を寄せている」と答えていますが、日弁連は児童の権利条約第3選択議定書にも批准を推進する立場ですし、教職員に対する国歌斉唱時の起立・斉唱・伴奏を強制だと捉えて、強制することがないように要請するなどの活動も行っていて、様々な問題に対して人権という立ち位置から活動している会であることも注目しなければなりません。また、2月の定例会では、福祉部長が子どもの権利ネットワーク南北海道の呼びかけによって子ども白書作成準備委員会が開催されたことを紹介し、可能なものがあれば協力していきたいと答えていますが、子どもの権利ネットワーク南北海道開催或いは後援した講演会の講師がどのような方だったかは以前指摘をさせて頂きました。

 さて、そのような中、今回はどのような議論がなされたのでしょうか。今回は質問した市議が条例制定までのスケジュールを確認した上で、「偏った考えを持たない方を、ぜひ公募で選んでいただきたい」と要望されています。また、市が調査を行った川崎市、調布市、目黒区(この3自治体の条例についてはこちらをご覧下さい)の報告を受けた上で、「子供の権利、これをめぐる意見がやはりこれが問題で、せっかく制定しても取り下げた地域もあると聞いております。子ども条例、権利ということではなくて、子供の条例という考えであればまた話も違いますが、実質的に権利条例に近づくんではないかなという危惧を持っております。この辺をしっかりと調査研究していただきたい」と要望されていますが、どちらも重要な指摘で、これを踏まえて委員会が運営されているかどうか注視したいと思います。

 そして、市議が条例の必要性について市長に質したところ、市長は、「子供の健やかな成長を促していくためには、子育ての孤立化を防ぎ、女性の就労の増大に伴う子育て支援を推進するとともに、家庭、学校、地域が一体となって良好な環境をつくり上げていくことが必要である」として、「地域全体で喜びを持って子供たちの健やかな成長を支えることができる地域社会の実現を図ることを目的として、子ども条例の制定をしたい」と答弁されています。こうした内容は、これまでと変わりなく、やはり健全育成を目指しているわけですから、市が設置した条例制定検討委員会もやはり権利条例ではなく健全育成条例を目指すべきではないでしょうか。

 また今回、市長は「昔は大家族制の中で3世代が一緒に同居をしていた、子供たちも多かった、そしてすぐ近くには親戚の方々がいて子育てをしていた。そういう家庭の力が、今の核家族化の中で家庭の力というものが弱まっているわけであります」という認識を示されていますが、そうであれば、健全育成条例とともに、家庭の力を取り戻すべく、三世代同居や近居を促すような施策を模索してはどうかと思います。拙ブログでは男女共同参画の問題や家族の絆についても考えてきましたが、個人の権利ばかりが強調され、家族や地域の絆が弱くなっていることが問題ではないかという認識は、市長の認識と同じではないかと思いますが如何でしょうか。


■平成24年第2回6月定例会

○6月19日
(質問者:市議)
 次に、子ども条例についてお伺いします。
 市長の子ども条例につく意図は理解してますが、市長とのタウントーキングや、さまざまな団体が取り組みに大変積極的に活動している様子を、報道を通して拝見しております。
 今後、今回予算検討関係経費が盛り込まれておりますが、条例制定までのスケジュールを教えてください。

(子ども未来部長)
 条例制定までのスケジュールについてのお尋ねでございます。
 条例の制定に当たりましては、学識経験者や関係団体の方々、公募の市民から成る条例制定委員会を7月下旬に設置し、さまざまな御意見をお聞きしてまいりたいと考えております。
 この委員会の中で、条例の基本となる考え方や、市民や子供たちからの意見聴取の方法、さらには具体的に条例に盛り込む内容等について議論していただきたいと考えており、この委員会での議論を踏まえて、また議会の御意見もいただいた中で、条例を成案化してまいりたいと考えております。
 なお、検討委員会の設置から条例施行までの期間は、他都市の例を踏まえますと、少なくとも2年程度は必要であるものと考えております。
 以上でございます。

(質問者:市議)
 7月下旬に設置、そして多くの方から公募して、これはやはり公募の内容にもよりますけど、よく理解できる、そしてやはり偏った考えを持たない方を、ぜひ公募で選んでいただきたい。
 また、2年間は必要ということですが、やっぱりこういう、もし条例をつくるんであれば、ゆっくりと時間をとって、やはりつくってよかったという考えを持っていただければと思っております。
 それじゃあ、昨年担当者が先進地調査に行ったと思いますが、どういう調査の経過があったか、教えてください。

(子ども未来部長)
 他都市の調査にかかわってのお尋ねでございます。
 既に制定しております他都市の条例を見ますと、子どもの権利保障もしくは子供の育成施策の推進にそれぞれ重点を置いているもの、あるいは両者の要素を合わせたものの3つに類型化できるところでありますので、3つの類型の中でも特徴的な都市であります川崎市、調布市及び目黒区を訪問して調査を行ったところでございます。
 調査内容は、条例制定の考え方や子供の意見反映の方法など制定に向けた取り組み状況、また制定後の効果や課題などについてでございます。
 制定に至る具体的な取り組み方法等をお聞きしたことで、本市の取り組みの参考とすることができたほか、他都市の検討委員会等においても、特に子供の権利をめぐる意見が議論の大きなポイントとなったとのことでありますことから、本市におきましても、さまざまな関係団体や市民の皆様から十分な御議論をいただいた上で、条例の目指すべき方向性や条例に盛り込む内容等について、検討を重ねていく必要があるものと認識したところでございます。
 以上でございます。

(質問者:市議)
 他都市を見て、これをもとにということですが、やはりこの子供の権利、これをめぐる意見がやはりこれが問題で、せっかく制定しても取り下げた地域もあると聞いております。子ども条例、権利ということではなくて、子供の条例という考えであればまた話も違いますが、実質的に権利条例に近づくんではないかなという危惧を持っております。この辺をしっかりと調査研究していただきたいと思います。
 最後、この子ども条例の最後ですが、改めてなぜこの条例が必要なのか。前回、当会派の議員にもお話がありましたが、改めてお聞かせください。

(市長)
 子ども条例の必要性についてのお尋ねであります。
 今日、子供を取り巻く社会環境は、少子化や核家族化の進行、地域とのつながりの希薄化などが見受けられるところでありまして、こうした中で子供の健やかな成長を促していくためには、子育ての孤立化を防ぎ、女性の就労の増大に伴う子育て支援を推進するとともに、家庭、学校、地域が一体となって良好な環境をつくり上げていくことが必要であると考えております。
 昔は大家族制の中で3世代が一緒に同居をしていた、子供たちも多かった、そしてすぐ近くには親戚の方々がいて子育てをしていた。そういう家庭の力が、今の核家族化の中で家庭の力というものが弱まっているわけであります。したがって、子育てについても御両親だけで、あるいは家庭だけでというのはなかなか不安を抱えている方もいらっしゃるわけでありまして、私は地域の力、そして最終的にはまち全体の力で、今の少子化に対して子育て支援というものをやっていかなければならないというふうに思っているわけであります。
 そのときにやはり共通の市民的な理念、その子育てへの支援の考え方、そういうものが必要であるということから、地域全体で喜びを持って子供たちの健やかな成長を支えることができる地域社会の実現を図ることを目的として、子ども条例の制定をしたいと、目指したいと考えているところであります。
 以上です。

(質問者:市議)
 市長の子ども条例に関しての思いはわかりました。私は、やはりこの権利ではなく、やっぱり条例をつくって、今おっしゃったような子供が健やかに成長していく、そういう環境づくりを目指す条例にしていただきたいと思います。

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