自治基本条例制定のための委員会設置を巡り住民監査請求

 生駒市の「市民投票条例案」の是非をめぐり、同市の男性が提訴し、法廷で争われることになったニュースを以前記事にしましたが、その後も出雲市や横須賀市で同じように、条例案検討会や検討委員会の設置を巡って住民監査請求がされています。いずれの場合も、条例制定のための検討会や委員会の設置については違法との判断が下されたようです。

 自民党が「チョット待て!!“自治基本条例”~つくるべきかどうか、もう一度考えよう~」(自民党HP政策パンフレットからダウンロードできます。)という政策パンフレットを作成し、その中で、次のように指摘していましたが、

自治基本条例作成に当たっての組織作りには、十分注意を払う。住民公募による100人委員会などは、一見公平のようであるが、結果的に、条例制定に関心を持つ特定の集団に属する人に偏りがちであることに注意する。議会や既存の各種団体の代表も加え、特定の団体に偏らないようにする。

組織作り以前に、組織の正当性が否定されたことになるのではないでしょうか。


◇「条例によらず違法」出雲市監査委が判断 市民懇話会など設置で 島根 (産経新聞 平成24年6月12日)

「自治基本条例」の必要性などを検討する市民懇話会と有識者による条例案検討会を、島根県出雲市が条例によらず要綱で設けたのは地方自治法に違反しているとして、委員らの報酬などを弁償するよう長岡秀人市長に求めた住民監査請求で市の監査委員は11日、懇話会などを条例で定めずに設置したのは違法との判断を示す一方、経費の支出は適正として、弁償を求める措置請求については棄却した。

 監査委員は懇話会と検討会について「内部規律に過ぎない要綱によって設置、運営されたことは、地方自治法の規定に違反したものと言わざるを得ない」とし、市に見直しを求めた。その上で、委員への報酬などは任務遂行の対価として適正とし、市に損害を与えていないとした。

 市は現時点で約60の検討会や審議会などを設置しており、監査委員の判断を受けて「1つずつ内容を吟味し、見直しを含めて検討していく」としている。


◇検討委の議決なし違法性認める (産経新聞 平成24年7月4日)

 問題点が多いとして採決が見送られた神奈川県横須賀市の自治基本条例案の制定に深く関わった外部有識者らの検討委員会について、本来は議会に諮るべきところを省略して設置したのは地方自治法違反に当たるとして、男性市民が吉田雄人市長に委員報酬110万5千円の返還を求めた住民監査請求に対する監査結果が4日、示され、「地方自治法が規定する付属機関に当たる」と検討委の違法性を認定した。報酬の返還には、市に損害をもたらすほどの行為には当たらず、「住民監査請求の対象にはならない」との判断で棄却された。

 外国人への地方参政権容認に道を開くなど批判が多い自治基本条例は、複数の呼称があるものの全国約200の自治体で制定され、奈良県生駒市や青森市などでも同様の住民監査請求が出されて違法性が認められたケースも多い。継続審査となっている横須賀市の条例案の行方が注目される。

 地方自治法は138条4の3項で自治体が審議会や調停、審査、諮問、調査などの機関(付属機関)を置く場合、設置条例を議会に諮るよう義務づけている。ところが、横須賀市は議会に諮らず、行政機関の内規に当たる要綱に基づき、有識者や公募市民15人から成る検討委を設置。平成22年11月から昨年夏にかけて条例の在り方などを議論し報告書を提出、それを基に骨子案や素案が作られた。

 男性は「違法に設置した委員会への報酬支払いは違法な公金支出に当たる」として、請求可能な昨年6月から8月までの110万5千円の返還を求めていた。



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