強制失踪条約

 このブログでは子どもの権利条例に関連して、国連の児童の権利条約を取り上げ、同じ国連の人権条約である女子差別撤廃条約なども取り上げてきましたが、国連の人権条約の中には、強制失踪条約(強制失踪からのすべての者の保護に関する国際条約)というものもあります。

 昨年12月に北朝鮮の金正日が死亡して金正恩体制になったことで、拉致問題も改めて報道等で取り上げられ、また、今回の内閣改造では長年この問題に取り組んできた松原仁議員が拉致問題担当大臣に就任して、拉致問題の進展が期待されているところですが、強制失踪条約は、拉致を含めた強制失踪を犯罪として定めて処罰の枠組みの確保と予防措置について規定した条約です。

 この条約は平成18年12月に国連で採択され、翌年2月には署名のために開放されました。我が国は署名式時に署名し、平成21年には国会の承認を経て批准しています。その後平成22年11月に批准した国が20カ国になり30日目となる同年12月に発効(条約としての効力が発生)しています。

 外務省のHPによれば、署名式には浜田昌良外務大臣政務官が出席して署名を行い、「署名式に合わせて、在フランス大使館広報文化部にて、映画『めぐみ-引き裂かれた家族の30年』上映会が行われ、約100名が出席した」そうです。

アニメ「めぐみ-引き裂かれた家族の30年」はこちらです。
 http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg1754.html

 また、国会で批准の承認を得た際の提案理由には、

「この条約は、拉致を含む強制失踪を犯罪として定め、その処罰の枠組みの確保及び予防に向け締約国がとるべき措置等について規定するものであり、拉致を含む強制失踪が犯罪として処罰されるべきものであることを国際社会において確認するとともに、将来にわたって同様の犯罪が繰り返されることを抑止する意義を有している。我が国がこの条約を締結することは、拉致を含む強制失踪に立ち向かう我が国の強い意思を国際社会に示すとの見地から有意義であると認められる。よって、この条約を締結することといたしたい。これが、この案件を提出する理由である。」

とあります。

 国連の人権条約やそれに基づく通報制度や委員会には、拙ブログで取り上げてきたような問題点もありますが、活用すべきものは上手く活用して拉致問題の解決に繋げて頂きたいと思います。ただし、北朝鮮もこの条約に批准する必要があることと、児童の権利条約には北朝鮮も批准していることを考えると、簡単なことではないことも事実ですし、また、外務省のHPの解説にあるように、「本条約が北朝鮮による個別の拉致問題の解決に資するかについては、本条約の遡及適用が認められないこと等から、限界がある」ことも確かではあります。

【ご参考】
北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)HP
http://www.sukuukai.jp/

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