函館市議会平成23年度函館市各会計予算特別委員会での議論

 子どもの権利条例に関する函館市議会での議論について、「函館市議会での子どもの権利条例についての議論」 「函館市議会平成23年6月定例会での議論」で取り上げてきましたが、今回7月の予算特別委員会と9月の定例会の議事録が掲載されていましたので、先ずは7月の予算特別委員会での質疑を見てみたいと思います。

 6月の定例会で市長は、「子供の人権を尊重し、子供たちの健やかな成長を図り、幸せに暮らすことのできる地域社会を実現することを目的とする」「子供たちの健全育成に関するさまざまな観点から調査検討を進めてまいりたい」と答弁されていました。

 7月の予算特別委員会では、福祉部が答弁を行っていますが、「中でも子どもの権利条例と呼ばれるものについては、児童の権利に関する条約の理念に基づき子供の人権を生きる権利、自分で決める権利など、いくつかに累計しながら規定した上でその保障を図ることを主な目的とするものと考えております」と前置きした上で、「当市で検討していく子ども条例は、広い観点から子供たちの健やかな成長を図り、幸せに暮らすことのできる地域社会の実現を目的とするものであります」と答弁しています。

 さらに、条例が必要かとの質疑に対しては「子供たちが生きることに喜びを感じながら健やかに育つことができる環境を整え、地域全体が子供たちの成長を喜びをもって支えることができる社会をつくるためには、できるだけ多くの市民の総意のもとで取り組みが進められることが大切だと考えております。」「市として子供施策の柱となる条例をつくることにより、より多くの市民に対し子供たちの健やかな成長を地域全体で支えていくと、こういう意識の醸成を図ることが望ましい手法の一つではないかと、このように考えております」と答弁しています。

 つまり、子どもの権利ではなく、子供たちの健やかな成長を図り、幸せに暮らすことができる地域社会を、多くの市民が取り組んで実現できるように条例を制定するということでしょうか。

 また、質疑の中で、「児童憲章」が取り上げられていますが、これは我が国で昭和26年5月5日に制定されたもので、国際的な宣言である大正13年の「児童の権利に関するジュネーブ宣言」や昭和34年の「児童の権利に関する宣言」と同じように、子供の権利を保護を受ける権利と捉えたもので、現在考えられている子どもの権利とは対極にあるものです。このことについては、これまで何回か取り上げてきましたので、ご参照頂ければと思います。次回は9月定例会での質疑を取り上げてみます。

子どもの権利条例の問題点④

児童の権利条約ができるまで①

児童の権利条約ができるまで②-保護を受ける権利

児童の権利条約ができるまで③-オートノミーの権利


■平成23年度函館市各会計予算特別委員会(補正)

○7月14日
(質問者:市議)
 まず1点目ですが、(仮称)子ども条例についてです。この政策の柱の4つ目めの子供、若者の未来のためとして、子供の人権を尊重し、健全な成長を図るため子ども条例を制定するとあります。この条例は本会議におきましても多くの同僚の議員が質問されておりますが、私はこの条例制定するための調査費として20万円の予算がありますが、この20万円の内訳を最初にお聞きしたいと思います。

(福祉部子ども未来室次世代育成課長)
 (仮称)子ども条例調査関係費20万円の内訳についてのお尋ねですが、子供に関する条例を既に制定済みの都市に対し文書による調査を行った上で、当市にとって特に参考となると考えられる都市を選んで訪問調査を行うための経費でありまして、文書による調査に要する消耗品並びに旅費がその内訳となっております。

(質問者:市議)
 これ本会議におきましても、昨年は権利条例ということで札幌、滝川のところを調査したとお聞きしております。今回は、権利条例の権利を抜かした子ども条例ということで、他都市を調査する予算だということですが、(中略)今後調査した内容と文書その他について改めて私なりに調査していきたいと考えております。そういう調査の中で、私は昨年度ですが、子ども権利条例についてこれはいかがなものかということで質問をいたしました。今回市長選挙のときに、工藤市長の初めのいわゆるマニフェスト的なものを見ますと、子ども権利条例であったんです。それが当選されまして、今回の政策で子ども条例ということに句体がちょっとそのところがかわったわけですが、それじゃあ、子ども条例と子ども権利条例の違いはどうなのか、ちょっと教えていただきたいと思います

(福祉部子ども未来室次世代育成課長)
 子ども条例と子どもの権利条例の違いについてのお尋ねですが、子供に関する条例についてはさまざまな形がございますが、中でも子どもの権利条例と呼ばれるものについては、児童の権利に関する条約の理念に基づき子供の人権を生きる権利、自分で決める権利など、いくつかに累計しながら規定した上でその保障を図ることを主な目的とするものと考えております。一方、今後当市で検討していく子ども条例は、広い観点から子供たちの健やかな成長を図り、幸せに暮らすことのできる地域社会の実現を目的とするものでありますが、当市においてその実現を図るためにはどういった内容がふさわしいのか、他都市の事例の分析も行った上で検討を行う必要がございますので、今後さらに調査を進めさせていただきたいと考えております。

(質問者:市議)
 子ども権利条例は言うまでもなく権利であって、理念を持っている。条例については、今答弁ありましたいわゆる広い観点から子供のいわゆる幸せと健康、そういう面に向けての条例のことだということですが、それはそれで内容についてはわかりました。私はじゃあ、前回市長が答弁された中でこういう答弁もあったんですよね。なぜ必要かというと、先進諸国の中で我が国の子供たちは幸福感を感じている割合が低く、孤独感を感じている割合が高いと申しておりました。本当に今の子供は幸福感を感じている割合が低いんでしょうか。皆さんも地域の子供に接してそう感じられるかどうか、私はこの辺はちょっと疑問に思って質問の答弁を聞いておりました。また、私はこの条例に対して、子ども条例に対しては1951年の5月5日にいわゆる児童憲章というのが制定されております。その中には、「われらは日本国憲法の精神にしたがい、児童に対する正しい観念を確立し、すべての児童の幸福をはかるためにこの憲章を定める」とあります。この制定されてもう、昭和26年ですから60年を過ぎておりますが、この1つには児童は人として尊ばれる、また社会の一員として重んぜられる、また良い環境の中で育てられるとなって、この3つの柱から12項目の具体的なことが明記されておりますが、今御答弁ありましたこの広い観点から子供たちの健やかな成長を図る、この文章はこの児童憲章と全くかわりはないのではないかなという気持ちでおります。その中で、この条例は理念で広げることはあくまでもこだわらなくて、この条例をつくるということにこれから調査にいくわけですが、この調査をすることによってこの条例制定をどうしてもすることに、こだわるかどうか、これはまだ調査の段階ですからやめれとか、やめるなとかそういう意味ではないんですが、この条例制定についての部局のこだわりがあるかどうか教えてください。

(福祉部長)
 子ども条例、その制定が必要なのかと、こうしたお尋ねでございますが、子供たちが生きることに喜びを感じながら健やかに育つことができる環境を整え、地域全体が子供たちの成長を喜びをもって支えることができる社会をつくるためには、できるだけ多くの市民の総意のもとで取り組みが進められることが大切だと考えております。現在も次世代育成支援後期行動計画に基づきまして、子育て支援に関してさまざまな取り組みを進めているところでありますが、地域全体でこの取り組みを進めていくためにも、市として子供施策の柱となる条例をつくることにより、より多くの市民に対し子供たちの健やかな成長を地域全体で支えていくと、こういう意識の醸成を図ることが望ましい手法の一つではないかと、このように考えております。条例はできるだけ多くの市民の合意のもとで制定されるべきと考えておりますので、さまざまな観点から十分な御議論をいただくためにも、今回補正としてお願いをさせていただいております他都市の訪問調査を初め、十分に調査をした上でその分析も行いながら検討を進めさせていただきたいと考えているところでございます。

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