函館市議会平成23年6月定例会での議論

 子どもの権利条例に関する函館市議会での議論については、「函館市議会での子どもの権利条例についての議論」で取り上げ、また、現市長の公約が子どもの権利条例から、子ども条例に変わったことも前々回取り上げましたが、6月の定例会でも、子どもの権利条例と子ども条例の違いの説明を求める質問もあったようです。

 函館市議会のHPに6月定例会の議事録が掲載されましたが、権利条例との違いについて市長はどのように説明されたのでしょうか。

 議事録の答弁を見ますと、子どもの権利条例或いは子ども条例には、権利の保護を主眼としたものや健全育成を柱としたものなど様々な種類があることを市長も認識されていることがわかりますが、その中で函館市がどのような条例を目指すのかについては、「子供の人権を尊重し、子供たちの健やかな成長を図り、幸せに暮らすことのできる地域社会を実現することを目的とする」と答弁されていて、この部分からは、権利保護も健全育成もというように読めますし、「子供たちの健全育成に関するさまざまな観点から調査検討を進めてまいりたい」という部分からは健全育成を主眼においているようにも受け取れます。

 また、条例制定の意義について「子供たちが人権を尊重され、虐待やいじめ等の暴力がなく、安心・安全に毎日を送り、明るく幸せに過ごし、健全な成長を促すことのできる環境を整えることが大切である」と答弁されていますが、子ども条例を制定することで、こうした環境が整うのでしょうか。


■平成23年第2回6月定例会

○7月5日
(質問者:市議)
 少子高齢化と若者の市外流出により、若年人口が減少しております。子供たちと若者に明るい未来が約束されなければなりません。子供たちがたくましく生きる環境を整えるとともに若者の就業機会の増大に取り組み、未来を開きますと訴えてまいりました。その中で、子供たちと人権を尊重し、健全な成長を図るため子ども条例を制定するとなっていますが、その理念と目的についてお聞かせください。
 また、権利条例との違いを明らかにしていただきたいのであります。


(市長)
 次に、子ども条例の理念と目的、また権利条例との違いについてのお尋ねでございますが、私が考えている子ども条例は、子供の人権を尊重し、子供たちの健やかな成長を図り、幸せに暮らすことのできる地域社会を実現することを目的とするものであります。子どもの権利条例に対しては、いじめや虐待のない社会の実現に向けた期待の声がある一方で、権利の保障ばかりが強調されることによる弊害を懸念する声もあるなど、多様な意見があることを私としても認識しているところであります。このようなことから、本市の条例はできるだけ多くの市民の合意のもとで制定されることが肝要であると考えておりますので、今後、子供たちの健全育成に関するさまざまな観点から調査検討を進めてまいりたいと考えております。

○7月6日
(質問者:市議)
 最後になりますが、大きな9つ目は、子どもの権利条例について市長並びに教育長に質問いたします。
 私は、未来を担う子供たちの視点に立った子供に優しいまちづくりの必要性を一貫して訴えてきました。それは、子供にとって優しいまちは大人にとっても住みやすいまちになるからです。そして、この8年間、井上市長、西尾市長に対して、函館市において子供にとって優しいまちづくりの根本に子どもの権利条約の理念に沿った子どもの権利条例が必要と繰り返し提言してきました。子どもの権利条約は、子供の人格の完全にして調和のとれた発達のために、子供の権利が子供を取り巻くあらゆる場で実現されることを求めた条約です。この条約の特徴は、子供が単なる保護の対象ではなく、権利の主体として認められていることです。子どもの権利条約が一番大切にしていることは、子供の目線に立って子供の意見を聞くことです。すなわち、大人は権利の主体である子供とその子の発達段階に応じたコミュニケーションを図り、意思疎通や意見交換の中から子供の最善の利益を発見し、それを実現することが求められます。
 そこで、質問いたします。
 私は、子どもの権利条約の理念で、子供に優しいまちづくりを進めることが極めて大切だと考えますが、工藤市長の認識を伺います。
 また、全国の自治体において子供に関する条例制定が進められていますが、その条例には3種類のパターンがあると言われています。1つは権利保護型で、子供の権利保護に関する条例です。一部理念型という条例もあります。2つ目は少子化対策型といって、少子化対策に関する条例です。3つ目は青少年健全育成型で、青少年の健全育成に関する条例です。
 そこで、質問いたします。
 私は子どもの権利条約の理念に沿った条例制定を望みますが、工藤市長、教育長の見解をお聞きいたします。

(市長)
 最後、大綱の9点目、子どもの権利条例についてでございます。
 まず、子供に優しいまちづくりの認識についてのお尋ねでございますが、私は子供たちが人権を尊重され、虐待やいじめ等の暴力がなく、安心・安全に毎日を送り、明るく幸せに過ごし、健全な成長を促すことのできる環境を整えることが大切であると考えております。
 本市の次世代育成支援後期行動計画においても子供の幸せを第一に考え、子供の利益が最大限に保障されるよう配慮し、子供の視点に立った取り組みを進めていくこととしておりますことから、計画に基づいた取り組みを市として引き続き進めてまいりたいと考えております。
 次に、子ども条例に対する私の考え方でございます。子どもの権利条約の理念に基づいた子どもの権利条例を制定するべきではないのかとのお尋ねでございますが、子ども条例につきましては、児童の権利に関する条約の理念に基づき、子供の権利保障に主眼を置いたもののほか、青少年の健全育成に主眼を置いたもの、また少子化対策として子育て支援などの個別施策の推進について定めたものなど、非常に多様な形態があると認識しております。
 本市の子ども条例については、子供たちが幸せに暮らすことのできる地域社会の実現を目指す上でどのような内容が本市の子供たちにとって最善であるのかを各般の意見を十分にお聞きしながら、子供たちの健全育成に関するさまざまな観点から調査検討を進めてまいりたいと考えております。

○7月8日
(質問者:市議)
 子ども条例については先行する質問がありましたが、市長がなぜ条例の制定が必要と考えたのかお聞かせください。

(市長)
 次に、大綱3点目の子どもたちの豊かな成長のためにでございますが、子ども条例制定が必要だと考えた理由についてでございます。
 先進諸国の中で、日本の子供たちは幸福感を感じている割合が低く、孤独感を感じている割合が高いと言われております。そのような中にあって、私は子供たち自身が毎日を明るく楽しく過ごし、生きることに喜びを感じながら、健やかに育つことのできる環境を整え、地域全体が子供たちの成長を喜びをもって支えることができるような社会をつくることが大切であると考えております。
 このような考えのもと、子供たちの健やかな成長を図り、幸せに暮らすことのできる地域社会の実現を目的とする子ども条例の制定に向けた調査検討を鋭意進めてまいりたいと考えております。

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