「子どもの権利条例」と「子ども条例」

 6月25日の函館新聞に続いて、今朝の北海道新聞にも、「『子ども条例』の制定へ本格調査」という記事が掲載されました。この記事の中で、2点について考えてみたいと思います。

◇「子ども条例」の制定へ本格調査 函館市 道外視察も予定 (北海道新聞函館版 平成23年8月16日)

 函館市は子どもが健やかに育ち幸せに暮らすための方向性を示す「子ども条例」(仮称)の制定に向け、既に同様の条例を制定した自治体への視察など本格調査を始める。制定時期は決めていないが、年末にかけて条例に盛り込む内容や課題などをまとめる方針だ。

 子ども条例の制定は、工藤寿樹市長が市長選の公約に掲げた。今秋から同内外の自治体の同様の条例の内容や制定までの経過、期間などを調べるほか、関東圏の2市への視察を予定している。

 市は昨年度、市議会で論議が高まったことを受けて、制定の有無にかかわらず道内14市と全国の人口30万人以上の中核市46市を対象に調査を実施。この結果、条例のある大半の自治体は制定の理由に「市長公約」を掲げたという。

 また内容については日本が1994年に批准した「子どもの権利条約」を基にいじめや虐待防止などを盛り込んでいた。道内では、札幌市や滝川市、十勝管内芽室町などが条例を制定している。

 一方、制定していない自治体の多くは「児童福祉法や『子どもの権利条約』で十分」と答えたという。

 市子ども未来室は「制定まで2~3年かかっている自治体が多く、今後、市民を含めた論議も必要になってくるのでは」と話している。



 先ず1点目ですが、工藤市長が公約に掲げたという点です。記事にあります「市議会で論議が高まった」ことは拙ブログでも、これまでの市議会での検討の経緯についてまとめていますので、ご参照頂きたいと思いますが、市議会では「子ども条例」ではなく「子どもの権利条例」として推進、反対それぞれの立場から議論されてきています。こうした市議会での議論の影響があったかどうかはわかりませんが、市長の公約は当初「子どもの権利条例」と謳っていましたが、選挙前には「子ども条例」に変更された経緯があります。内容をみますと、「子どもの人権を守る『子どもの権利条例』の制定」から「子どもの人権を守る『子ども条例』の制定」に変わっているだけなので、子どもの権利を念頭においているのかもしれませんが、公約に掲げた「5つの挑戦」の中での順番も、当初は3番目に掲げられていたものが、4番目になり、名称からは「権利」の文字が削除されたことは間違いありませんので、問題点が指摘されている子どもの権利条例ではなく、健全育成条例が制定されて欲しいと思います。

 2点目は、道内の制定例として、滝川市が挙げられている点です。函館新聞の記事には滝川市は例示されていませんでしたが、北海道新聞の記事では、函館市が例示したのか北海道新聞の調査によるものなのかはわかりませんが、滝川市が挙げられています。滝川市の条例は恐らく「滝川市の未来を担うこどもの子育て・子育ち環境づくりに関する条例」(通称:こども未来づくり条例)を指しているのだと思いますが、全体としては名称の通り環境づくりに関する条例であって、子どもの権利条例ではありません。全国的には「子ども条例」という名称を用いていても内容は権利条例である場合が多いのですが、「子どもの権利条例」から「子ども条例」に変更したのであれば、権利条例ではなく、滝川市のような条例を目指して欲しいと思います。

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