千葉県の第3次男女共同参画計画

 現在、千葉県で第3次男女共同参画計画の策定が進められており、昨年暮れにはパブコメも実施されましたが、その後も朝日の記事によれば、

「市民団体や法曹団体などから見直しを求める声が出ている」
「全国フェミニスト議員連盟など10団体から見直しを求める申し入れがされた」


そうです。また、記事にあります県弁護士会の声明はこちらです。

 この声明に「千葉県は、男女共同参画条例がない」とありますが、これは当時堂本知事が過激なジェンダーフリー条例案を作成したことで自民党県連が頑張って否決したもので、その後の男女共同参画センター条例案も否決されています(その代わり、人権擁護法ともいうべき障害者条例は可決されていますが)。千葉県では市川市がジェンダーフリー条例を廃止して新たな男女共同参画推進条例を制定したもありました。

 記事にありますように、千葉県男女共同参画推進懇話会では、長谷川三千子先生が委員としてご活躍で、議事録をみますと、第1回では、

「単なる男女平等というのは実はかえって社会の活力を削いでしまうということがある。男女が共に認めあって支えあって元気な日本を作っていこうじゃないかというのが、実は本当の男女共同参画基本法の出発点なのですね」
「原点に立ち返って『なぜ男女平等がいいの?』『なぜ女性がたくさん社会に進出しなければいけないの?』と振り返ってみると、実は一番根本のところで『男性と女性が社会を作ってお互いに支え合って生きているんだ』という基本の形が見えてくると思うのです」


 また、欠席された第2回でも次のような意見を提出されています。

「何故この基本法が男女平等基本法という名称でなしに、男女共同参画社会基本法という名称になっているのかをしっかりと考えてみる必要があります。日本国憲法には法のもとの男女平等がうたわれています。これをあらゆる領域に押し広げようとするイデオロギーも社会の一部に存在しますが、そのようなイデオロギーが極端に推進されることは、かえって男女の協力関係を損ね、社会の活力を削いでしまう。女性が積極的に生き生きと社会参画することは大切だけれども、それは極端で硬直した男女平等イデオロギーに基づくのではない。これが男女共同参画社会基本法の根本理念だと考えています。(もしも、実は極めてラディカルな男女平等イデオロギーを念頭に置いてこの基本法を作ったのだというような話であれば、それは法案作成者が国民を騙した、ということになるでしょう。我々は、ただ素直に、この名の通りに男女共同参画社会基本法を受けとめるべきだと存じます)
従って、この原案が、基本目標、基本的な課題、施策の方向において、男女平等という表現でなしに、男女共同参画という表現に徹しているのは、基本法の理念に極めて忠実なことである、と高く評価いたします。
付け加えるとすれば『男女の相違を互いに理解し合い、相互に認め合い、支え合う関係の構築を目指す』などの理解をどこかに盛り込めたら理想的だと思います。
また、P.22 の施策の方向④「家庭生活における男女共同参画の促進」について、性別役割分担の排除にならないように配慮する必要があると思います。」



《千葉県男女共同参画計画(第3次)計画原案》
http://www.pref.chiba.lg.jp/dankyou/jouhoukoukai/shingikai/danjokyoudou/kaisaikekka/documents/siryou2_1.pdf

《概要》
http://www.pref.chiba.lg.jp/dankyou/iken/h22/documents/3_gaiyou.pdf

こちらから意見が提出できるようです。
http://www.pref.chiba.lg.jp/kouhou/faq/koukai.html


◇「男女平等」が消えた 男女共同参画計画案ーマイタウン千葉 (朝日新聞 平成23年2月7日)

 県が策定中の「第3次男女共同参画計画」について「男女平等の理念が後退している」として、市民団体や法曹団体などから見直しを求める声が出ている。第2次計画まで明記されていた「男女平等」という言葉が、案で消えたことなどが理由だ。県側は「男女平等を否定するものではない」とするが、国の同計画ではこの言葉が使われている。(小沢邦男)

 現行の第2次計画と第3次計画案の違いは、計画の目次といえる体系図からまずうかがえる。基本理念を2次は「女性も男性も人として尊重され……平等な社会の実現を目指す」としていた。3次計画案では「基本理念」が「目標」という表現に変わり、「男女がともに認め合い……元気な千葉の実現を目指す」となっている。

 続く「基本的な課題」では、2次で「男女平等」とあった表現がすべて「男女共同参画」に。この結果、「男女平等」は本文にわずかに残るものの、計画の方向性を示すような言葉としては一切使われていない。

 県弁護士会は昨年12月、明らかに2次計画より後退しているとして修正を求める会長声明を出した。声明では「認め合い……」との表現が、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することのできる男女共同参画社会を目指すとした男女共同参画社会基本法の趣旨に反する、と指摘している。

 県によるとこれまでに、全国フェミニスト議員連盟など10団体から見直しを求める申し入れがされたという。

 転換のきっかけは、県が計画づくりで識者らに意見を聞く「男女共同参画推進懇話会」の委員交代だったとの見方が強い。昨年7月、新たに学識経験者として2人が加わった。

 昨年8月の懇話会で、新委員の長谷川三千子・埼玉大教授は「男女の違いを認め合って支え合うことが必要」などとして「男女平等」は適さないと主張した。同じく新委員の渡辺利夫・拓大学長も「安易な言葉遣いは戒めるべきだ」と修正を求めた。

 これを受ける形で県は3次計画案を作り、11月に公表した。県側は「わかりやすく簡潔な言葉を使った」としている。3次計画は、昨年12月に募ったパブリックコメントと、委員の意見を参考にして3月中に出来上がる予定だ。

 もっとも原案の方針が維持されたままの計画になるのではないかという見方が強い。見直しを求める県議は「知事の肝入りで就任した委員。その意見を取り下げるはずがない」とみる。

 この問題について森田健作知事は記者会見で「様々な意見があるが最終的には私が判断する」「基本的には(男女平等と男女共同参画は)同じ意味」としている。

 一方、内閣府男女共同参画局は「国として指導したことはない。『男女平等』を使わない方がいいという議論は聞いたことがない」という。
 

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