子どもの権利条例の問題点⑤

 子どもの権利条例の問題点の5つめは、これまでにも国連の児童の権利に関する条約によって設置されている児童の権利委員会と、権利委員会への報告書の提出、また報告書提出に係わるNGOとの意見交換会などについて記事にしてきましたが、権利委員会が締約国の報告書だけではなく、NGOの意見も参考にして審査を行っており、特定のNGOの意見がそのまま権利委員会の勧告に反映され、それをNGOが国内での条例制定に利用しているという構図があることがあげられます。

《拙ブログの参考記事》
◇児童の権利委員会への報告書を作成するための意見交換会が2つ?
http://kodomo-hakodate.at.webry.info/201011/article_6.html
◇国連の児童の権利委員会の勧告がすり替えられていた?
http://kodomo-hakodate.at.webry.info/201011/article_7.html
◇条約の批准と委員会見解(勧告)の履行義務
http://kodomo-hakodate.at.webry.info/201011/article_10.html
◇児童の権利条約に第3選択議定書制定の動き
http://kodomo-hakodate.at.webry.info/201012/article_6.html
◇国連の人権条約と各地の条例
http://kodomo-hakodate.at.webry.info/201101/article_6.html

 NGOの意見について、日本政策研究センター刊の「あなたの町の危険な条例」によれば、第1回審査の際にNGOが連携して作成した「市民・NGO報告書」なるものに、

 学校教育から少年司法に至る日本の現状が、彼らの一方的な視点から告発されるとともに、例えば「服装・髪型についての規制や校外生活についての規制は、子ども生徒の自己決定権の観点から全面的に見直しすること」とか「校則改正・制定に関する生徒の意見表明権、参加権を明確にすべき」などといった提言が盛り込まれている

そうです。また、こうした意見を提出する他にジュネーブで開催される権利委員会に出向いて、ロビー活動も行っていて、教育基本法全国ネットワークニュースに、次のようにその成果が報告されているそうです。

 「学校で生徒会をしていた高校生は、学校行事で生徒の声が通らないこと、教師が生徒を差別している事を訴えました。・・・・・・高校のときから平和活動に参加していた予備校生は、文部省(当時)が高校生の政治活動を禁じる通達を出していて、高校生が社会の問題を考えられなくなっている事を話しました。国立第二小学校の卒業生は、卒業式の日の丸、君が代問題について訴え、子どもの声が受け止めてもらえなかった体験を訴えました。・・・・・・また、私は私服登校をしましたが制服強制の事について話しました。
 審査の後、国連が政府に対して出した最終所見には、私たち一人ひとりが訴えた内容が全て盛り込まれました。政府がその勧告を守るよう切に望みます」


 高校生がジュネーブまで行って訴えていることにも驚きますが、訴えている内容も条約の趣旨とは異なるのではないでしょうか。しかし、こうした政府の報告書以外のカウンターレポートやロビー活動の内容が児童の権利委員会の最終見解(勧告)に反映され、それが国内では、あぶない条例を制定する根拠として使われているわけです。また、委員会の審査内容は条約の趣旨を踏まえているのか、或いは、条約以外の部分にも及んでいないのかも心配なところです。


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