子どもの権利条例の問題点①

 これまでに各地の条例や、実際に起こっている弊害について見てきましたが、国連の児童の権利に関する条約や、それに基づく各地の子どもの権利条例の問題点について考えてみたいと思います。

 問題点の1つ目は、国連の児童の権利に関する条約を拡大解釈し、権利ばかりを強調している点です。児童の権利条約にも問題がないわけではありませんが、各自治体の子どもの権利条例は、その権利の部分ばかりを強調し、条約にある保護の観点が見られません。
 
 例えば、児童の権利に関する条約は、その前文に

「家族が、社会の基礎的な集団として、並びに家族のすべての構成員、特に児童の成長及び福祉のための自然な環境として、社会においてその責任を十分に引き受けることができるよう必要な保護及び援助を与えられるべき」

「極めて困難な条件の下で生活している児童が世界のすべての国に存在すること、また、このような児童が特別の配慮を必要としていることを認め」

「あらゆる国特に開発途上国における児童の生活条件を改善するために国際協力が重要であることを認め」


とあるように、主たる目的は開発途上国における子どもの人権環境を改善することにあり、家族を社会の基礎的な単位として、子供を保護・援助されるべきものとして捉えています。また同条約第5条に

「児童がこの条約において認められる権利と行使するに当たり、父母若しくは場合により地方の慣習により定められている大家族若しくは共同体の構成員、法定保護者又は児童について法的に責任を有する他の者がその児童の発達しつつある能力に適合する方法で適当な指示及び指導を与える責任、権利、及び義務を尊重する」

とあって、保護者が児童の発達段階に合わせた指示や指導を与える責任と権利があるとしていますし、それぞれの権利についての条文にも、例えば意見の表明権についての第12条にも

「児童の意見は、その児童の年齢及び成熟度に従って相応に考慮されるものとする」

とあるように、決して無制限に子どもに権利の行使を認めたものではありません。しかし、各地の子どもの権利条例に、そのような文言は見られず、例えば川崎市の条例でも第15条に「自分の意見を表明し,その意見が尊重されること」とはありますが、年齢や成熟度によって考慮されるとの文言はありませんし、札幌市の条例も第11条に「表明した意見について、年齢や成長に応じてふさわしい配慮がなされる」と、一見同じような文言ですが、相応に考慮されるのと、ふさわしい配慮がされるのとでは、考え方が異なります。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 4

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック