ジェンダーをどう考えているか

 男女共同参画に関連して、ジェンダーフリーやリプロダクティブ・ライツについて考えてみましたが、この問題についてはマザーテレサやローマ法王も発言していますので、ご紹介したいと思います。お二人はもちろん反対の立場での意見ですが、そのあとに推進派の発言も取り上げておきます。

 先ず、マザーテレサは平成7年に北京で開催された世界女性会議にあてて次のようなメッセージを送っています。


 親愛なる皆様へ

 第4回世界女性会議で北京にお集まりの全ての方々に神の祝福のあらんことをお祈り申し上げます。私は、この会議によって、あらゆる人々が、神の計画において女性だけに与えられた役割を知り、それを大切なものと受けとめ、さらに尊厳を与えること、それによって、ひいては女性達が一生のうちにこの神の計画を実現できることを希望します。

 私には、なぜ男性と女性は全く同じだと主張し、男女の素晴らしい違いを否定しようとする人々がいるのか理解できません。神より授けられたものは全て善きものでありながら、全てが同じものであるとは限りません。私はよく、私のように貧しき人々のために尽くしたいとおっしゃる方に対して、「私にできてあなたにはできないこともあり、あなたにできて私にはできないこともあります。しかし、ともに力を合わせれば、神にとって何か素晴らしいことができるのです。」と申し上げます。男性と女性の違いとは、これと同じようなものなのです。

 神は、私達ひとりひとりをお造りになりました。そして、更にありがたいことに、全ての人々を、愛し、愛される存在にして下さっているのです。では、神はなぜあるものを男性に、またあるものを女性にお造りなったのでしょうか。それは、神の愛のひとつの形が女性の愛で表わされ、別の形が男性の愛で表わされるからです。どちらも愛するために造られていながら、それぞれの愛し方が違うように、男性と女性は互いを補い合って完成されるものであり、神の愛を体現するには、どちらか一方よりも両方そろった方が、より神の愛に近づくことができるのです。

 女性特有の愛の力は、母親になったときに最も顕著に現れます。母性は神から女性への贈り物。私達は、男女を問わず世界中にこれほどの喜びをもたらしている素晴らしいこの神の贈り物に、どれだけ感謝しなければならないことでしょうか。しかし、私達が、愛することや他者のために尽くすことよりも仕事や社会的地位の方を大切だと考えたり、妊娠中絶をしたりすれば、この母性という神の贈り物を破壊することにもなりかねません。仕事も、夢も、財産も、自由も、愛に代えることはできません。母性を破壊するものは全て、神から女性への最も大切な贈り物―女性として誰かを愛する力―を破壊するものなのです。

 神は私達に「汝を愛するがごとく隣人を愛せよ」とおっしゃいました。だから、私はまず正しく自分を愛し、それからそれと同じように隣人を愛します。しかし、神が自分をお造りになったことを受け入れないとすれば、どうして自分を愛することなどできるでしょうか。男の素晴らしい違いを否定する人々は、自分たちが神によって造られた存在であることを認めようとしませんし、それゆえに隣人を愛することもできません。彼らがもたらすものは、対立と不幸と世界平和の破壊でしかありません。例えば、私がこれまで再三申し上げてきたように、妊娠中絶は現在の世界平和にとって最大の破壊者であり、男女の違いをなくそうとしているのは皆、妊娠中絶に賛成する人々なのです。

 死と悲しみの代わりに、世界に平和と喜びをもたらしましょう。そのためには、神に平和という贈り物を願い、互いに神の子の兄弟として愛し合い、受容し合わなければなりません。子供達が愛することと祈ることを学ぶのに最もふさわしい場は家庭です。家庭で父母の姿から学ぶのです。家庭が崩壊したり、家庭内に不和が生じたりしていれば、多くの子供は愛と祈りを知らずに育ちます。家庭崩壊が進んだ国はいずれ多くの問題を抱えることになるでしょう。私は、とりわけ裕福な国々で、愛情不足と疎外感から逃れるために薬物に向かう子供達を幾度となく目にして参りました。

 しかし、家族の絆が強く、家庭が円満であれば、子供達は父母の愛の中にかけがえのない神の愛を見ることができ、自分の国を愛と祈りに満ちた場にしていくことができるのです。子供は神から家族への最高の贈り物ですが、子供にとっては父と母の両方が必要です。なぜなら、父親は父親らしいやり方、母親は母親らしいやり方で神の愛を体現して見せるからなのです。ともに祈る家族が離れていくことはありません。そして、家族がひとつであり続ければ、神がそのひとりひとりを愛してこられたように、互いを愛し合っていけるでしょう。愛のあるところには常に安らぎが生まれます。

 心に愛の喜びを抱き続けましょう、そして、出会った全ての人々とその喜びを分かち合いましょう。北京会議の全ての出席者と、この会議によって救われようとしている全ての女性が、ともに愛と安らぎの中で暮し、それぞれの家族とこの世界を神にとって美しいものにするために、おひとりおひとりがマリアのように慎ましく、清らかであることをお祈り申し上げます。

 ともに祈りましょう。

 全てを神の栄光と御心に捧げて。

 神の祝福あらんことを。


 マザー・テレサ



 また、ローマ法王は一昨年の年末の演説で、ジェンダー理論について人間の自己破壊につながるものと非難しています。

ローマ法王、ジェンダー理論を非難「人間の自己破壊につながる」

【12月23日 AFP】ローマ法王ベネディクト16世(Benedict XVI)は22日、バチカンで聖職者向けに行った年末の演説で、ジェンダー理論について、男性と女性との区別をあいまいにし、人間の「自己破壊」につながるものとして非難した。

 法王は、ローマ・カトリック教会が神の創造物を守るという時は、「大地や水、空気などを守るということだけではなく、人間を破滅から守ることも意味する」と語った。

 米国発祥のジェンダー理論は、性的指向やジェンダーに従って社会が個人に与える役割、自己の生物学的アイデンティティの理解のありようなどを研究するもの。同性愛や性転換者の権利団体は、理解と寛容のために重要なものだとしてこの理論の普及を進めている。

 一方、カトリック教会は、ジェンダー理論についてくりかえし反対する姿勢をとってきた。

 法王は「熱帯雨林が保護するに値するならば、人間だってやはり同じことだ」と語り、「人類のエコロジー」を訴えた。さらに、「男性と女性という人間の性質」に敬意を払うことを求めることは「時代遅れの形而上学」ではないと強調した。



 一方、上野千鶴子氏編著「ラディカルに語れば」を読みますと、同じくフェミニストの大沢真理氏との対談の中で、平成8年に男女共同参画審議会が提出した答申「男女共同参画ビジョン」について上野氏は、

「『ビジョン』には男女の特性にしたがった対等な取り扱いではなくて、最終的にはジェンダーの解消をめざすと書かれています。これは画期的なことだと思いますが、これについて合意が形成されたとは、これもにわかには信じがたい。おいおい、本気かよ? という感じです(笑)。
 かつて国連で女性差別撤廃条約が締結された時、条約の文言を読んで日本の現実とのあまりの落差に呆然自失しました。こんなものに署名してきた日本政府代表って、おいおい、本気かよ、字が読めなくて署名してきたんじゃないのか(笑)と思うぐらいの大きなショックがありましたけど、」


と述べ、ビジョンの策定に係わった大沢氏も、

「『ビジョン』の特徴と意義を解説した私の論文を、参画室の事務局で『ビジョン』の起草に深く関わった男性のお役人が、立ったまま読みはじめ、そのままとうとう終わりまで読んでしまった。そして最後に『こういうことだったのか』って言ったそうです(笑)」

と、自分の思想を反映させるために用意した案のうち、自分でも通るはずがないと思っていた、一番過激な案が役人の不勉強のために通ってしまったと、述べています。

 また、このブログでは子どもの権利条例を取り上げていますので、その関連でご紹介しますと、急進的性教育の旗振り役である「人間と性教育研究協議会」を創設した山本直英氏が『ヒューマンセクシュアリティ』創刊の辞の中で

「最近、私たちは二一世紀の指標となる、ふたつのすぐれた条約を入手している。ひとつは『女性に関する差別撤廃条約』(一九七七年)であり、もうひとつは『子どもの権利条約』(一九八九年)である」


と述べており、前者は男女共同参画社会基本法や同様の条例となり、後者が今、子どもの権利条例として拡がり始めているのです。
 

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