リプロダクティブ・ライツについて

 前回、「ジェンダーフリー」について考えてみましたが、今回は「リプロダクティブ・ライツ」について考えてみたいと思います。

 平成12年に策定された男女共同参画基本計画には、

「1994年にカイロで開催された国際人口・開発会議においてリプロダクティブ・ヘルス/ライツという概念が提唱され、今日、女性の人権の重要な一つとして認識されるに至っている。リプロダクティブ・ヘルス/ライツの中心課題には、いつ何人子どもを産むか産まないかを選ぶ自由、安全で満足のいく性生活、安全な妊娠・出産、子どもが健康に生まれ育つことなどが含まれており、また、思春期や更年期における健康上の問題等生涯を通じての性と生殖に関する課題が幅広く議論されている。女性2000年会議においては、HIV/エイズその他の疾病を含む健康上の問題への政策の実施についても提案されている。  こうしたリプロダクティブ・ヘルス/ライツの視点から女性の生涯を通じた健康を支援するための総合的な対策の推進を図ることが必要である。」

として、

「学校においては、児童生徒の発達段階に応じた性に関する科学的知識や、生命尊重・人間尊重・男女平等の精神に基づく異性観、自ら考え判断する意思決定の能力を身に付け、望ましい行動を取れるようにするため、学校教育活動全体を通じて性教育の充実に努める。また、そのため、教職員に対し研修会を実施するとともに、学校外の関係機関・地域社会や産婦人科医・助産婦・保健婦等との連携を図る。」

「人工妊娠中絶が女性の心身に及ぼす影響や安全な避妊についての知識の普及を図る。また、女性が主体的に避妊を行うことができるようにするための避妊の知識の普及等の支援を行う。」

などの施策を示していますが、平成8年に男女共同参画審議会が「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」について法務省、厚生省からヒアリングを行った際に、法務省は、

「胎児もまた生命を持ったものとして保護する必要があり、その軽視は人命軽視につながるおそれがある」

厚生省は、

「特に中絶については、胎児の生命保護も一つの大きな法益ですし、一方で、親の選択の自由や健康という面もあり、二つの大きな権利が拮抗するときにどのように調整していくのかということになり、必ずしも一方のみから考えるわけにはいきません」

と答えていて、その後もリプロダクティブヘルス・ライツについては国会でも様々な議論がありました。平成14年7月22日の衆議院決算行政委員会では、「思春期のためのラブ&ボディBOOK」という冊子が中学生にピルを勧める、あるいはフリーセックスをあおるような内容であることが問題にされ、児童の権利条約にも胎児の生命権が認められていることを指摘されて、板東真理子内閣府男女共同参画局長が、

「男女共同参画基本法が制定される前の男女共同参画審議会の答申におきましても、リプロダクティブヘルスについては、生涯を通じた女性の健康ということで、大事だという合意はされているんですけれども、ライツについては、いろいろな意見があるというふうな記述になっております。
 国際的な場でもリプロダクティブライツについてはいろいろな議論が行われていることは、今御指摘のとおりでございます。」


と答えています。このように、リプロダクティブ・ライツについては、リプロダクティブ・ヘルスを得る権利だけではなく、堕胎の問題とも絡んでいて、もし中絶することを女性の権利とすれば、国内では妊娠中絶については配偶者の同意が必要だという母性保護法にも反することになります。

 こうした問題もあって、男女共同参画第2次基本計画では、

「性と生殖の権利(リプロダクティブ・ライツ)とは、性と生殖の健康(リプロダクティブ・ヘルス)を得る権利とされている。なお、妊娠中絶に関しては、「妊娠中絶に関わる施策の決定またはその変更は、国の法的手順に従い、国または地方レベルでのみ行うことができる」ことが明記されているところであり、我が国では、人工妊娠中絶については刑法及び母体保護法において規定されていることから、それらに反し中絶の自由を認めるものではない」

という説明が入れられました。

 因みに、「ラブ&ボディBOOK」という中学生の性教育パンフレットは、、ピルを扱う製薬会社8社からの支援で作成されたことも判明して、国会でも、遠山文部科学大臣が「中学生にここまで必要ない」と答弁し、厚生労働省も「ふさわしくない記述もあり、結果として誤解を与える冊子だった」として回収されましたが、その中にもリプロダクティブ・ライツが取り上げられています。

「合言葉はリプロ 自分で考える、自分で決めるやっぱりそれが大事だね 」

「周囲に振り回されず、自分の人生は自分で考え、自分で選択する。それぞれの人の人生と、選択を尊重する。そのためのキーワードが『リプロダクティブ・ヘルス/ライツ』なんだ」

「コンドームによる避妊は失敗することがとても多いんだ。だから女の子は女の子で別に避妊をしないとダメ。」

「『ピル』は男の子に頼らず、女の子が自分で避妊できるのが最大のメリット。世界中で、広く使われている薬だよ」

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