国連の児童の権利に関する条約

 子どもの権利条例を調べてみますと、国連の「児童の権利に関する条約」に基づいて制定している自治体が多いことがわかります。そこで、児童の権利に関する条約について調べてみました。

 外務省のHPには、次のように説明されています。

「『児童の権利に関する条約』は、18歳未満のすべての人の保護と基本的人権の尊重を促進することを目的として、1989年秋の国連総会で全会一致で採択されたものです。我が国は、1990年9月21日にこの条約に署名し、1994年4月22日に批准を行いました。
 この条約は、今なお世界中に貧困、飢餓、武力紛争、虐待、性的搾取といった困難な状況におかれている児童がいるという現実に目を向け、児童の権利を国際的に保障、促進するため、国連人権委員会の下に設置された作業部会において、多くの国連加盟国政府、国連機関等が参加し、10年間にわたって行われた審議の成果です。
 この条約の内容は、特定の国の文化や法制度を偏重することなく、先進国であれ、開発途上国であれ、すべての国に受け入れられるべき普遍性を有するものになっています。」


 つまり、貧困や飢餓、武力紛争・・・といった困難な状況におかれている児童の保護と基本的人権の促進を目的に作られた条約ということです。その条約に我が国も平成2年に署名、平成6年に批准しています。各地の子どもの権利条例は、この国連の条約に基づいて制定されているのですね。

 では、条約に批准した我が国はどのような法律を制定したのでしょうか。
 調べてみると、条約を批准する前に開催された平成5年5月11日の衆院外務委員会で、

「条約第十二条から第十六条に定める権利は、日本では憲法によって保障されております」

「ただ、このような憲法で保障されている基本的な人権も、その行使は無制限に認められているものではなくて、公共の福祉による制限を受けるとともに、特に、心身ともに発達途上の段階にあります児童につきましては、学校において校則等によりその行動等に一定の制約を加えて指導を行い得るものというふうに解されております」

「予算措置につきましても立法措置につきましても、関係省庁といろいろ検討しました結果、そういう条約上の義務を実施するという観点からの新たな立法措置、法令の改正、こういったものは必要ではないという結論に達したわけでございます」


という答弁がされています。また、批准後の平成8年に国連の児童の権利委員会に提出された日本政府の第1回報告書の中でも

「これらの内容の多くは、我が国も既に1979年に締結している経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約並びに市民的及び政治的権利に関する国際規約に規定されていること、また、憲法を始めとする現行国内法制によって保障されていることから、この条約の批准に当たっては、現行国内法令の改正又は新たな国内立法措置は行っていない」

とされていて、国としては条約に基づいた法律は制定されていないようですね。


 国連の児童の権利に関する条約(通称:児童の権利条約)については、条約に基づいた権利委員会の問題もあるようなので、改めて調べてみたいと思います。

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