自治基本条例について

 このブログは、子どもの権利条例について考えていますが、子どもの権利条例と同じように危険性が指摘されている地方の条例に、男女共同参画条例自治基本条例があります。函館市では既にどちらの条例も制定されてしまっていますが、今、生駒市で自治基本条例に基づいて外国人参政権を認める生駒市市民投票条例が制定されようとしており、函館でも同じような問題が起きる可能性がありますので、自治基本条例について取り上げてみたいと思います。(札幌市の例の続きは後日アップさせて頂きたいと思います<(_ _)> )

 生駒市の問題についてはこちらのブログをご覧下さい。

☆ブログ「ぼやきくっくり」さんの記事
 「事実上の外国人参政権と役所も認めた『生駒市市民投票条例(案)』」
 「対岸の火事ではない『生駒市市民投票条例(案)」
 「反日勢力に狙われる地方 住民基本条例に仕掛けられた罠」 


 さて、自治基本条例の問題点は、主に次の4つが挙げられると思います。

1、市民の定義が拡大解釈され、住民以外の者が含まれている
2、住民投票を未成年や外国人にまで認めている
3、自治基本条例を「最高規範」とし、他の条例にまで影響を及ぼそうとしている
4、間接民主制の否定や議会軽視の危険性がある
 
 この問題点について一つずつみていきたいと思います。

■ 先ず第1に、各地の自治基本条例を見ますと、「市民」の定義が極めて曖昧、というよりも、地方自治法で定める「住民」の定義を故意に拡大しようとする条文が見られます。例えば、函館市自治基本条例では第2条で、

 (1)市内 市内に住所を有する者、市内に通勤し、または通学する者及び市内で活動する法人その他の団体をいいます。

と「市民」を定義し、函館市に住民票を持つ住民ばかりではなく、市外から通勤通学してくる人や、市内でビラ配りをする運動家、或いはその所属する団体までも市民と定義しています。そして第12条の条文により、そうした「市民は、自由かつ平等にまちづくりに参加する権利を有します」とされています。

 このような市民の定義は各地の条例に見られます。例えば神奈川県大和市の条例も「市民」を「市内に居住する者、市内で働く者、学ぶ者、活動するもの、事業を営むもの等をいう」と定義していますが、『ドキュメント・市民がつくったまちの憲法』には(この本自体は自治基本条例を推進する立場でまとめられたものですが)、

「従来から使われている『市民』という言葉のイメージは『住民』であり、ギャップがありすぎる」
「市税を負担していない者と権利が同じなのは住民として納得いかない」
「『活動するもの』を入れてしまうと、危険な思想や宗教に関係し市内で活動する者も含んでしまう危険がある」
「この定義は分かりにくい。まちづくりへの参加の最大の権利は選挙権でや住民投票権だと思う。それがない者も市民なのか」


などの意見も多く出されたことが紹介されています。函館市の条例案のパブコメをみても、

「極めて曖昧な定義で、市内でビラ配りをする運動か、或いはその所属する団体までも市民と捉えることができます」
「地方自治法による「住民」の定義が故意に拡大されて定義されていますが、住民と別に市民を定義する必要性以上に危険性の方が大きい」


という意見が寄せられています。

 一般常識では、広辞苑にもあるように「市民」とは「市の住民」であり、地方自治法で定めるところの「住民」(地方自治法第10条 市町村の区域内に住所を有するものは、当該市町村及びこれを包括する都道府県の住民とする)と捉えられており、一般市民(住民)がよくわからないところで、「市民」を一般常識とかけ離れて定義していることは極めて危険と言わざるを得ません。しかも、そうした拡大定義された市民による市民参画を謳っていますが、ごく普通の住民が頻繁に直接参画することは考えられず、通常は選挙によって意思を示し参画しているわけで、実際に参画するのは所謂プロ市民となってしまう危険性もあります。

 このような事例は男女共同参画条例の時にも見られ、国の第2次計画の中で、わざわざ

 「『ジェンダー・フリー』という用語を使用して、性差を否定したり、男らしさ、女らしさや男女の区別をなくして人間の中性化を目指すこと、また、家族やひな祭り等の伝統文化を否定することは、国民が求める男女共同参画社会とは異なる」
 「男女共同参画社会基本法上の積極的改善措置は、男女の実質的な機会の平等を目指すものであり、様々な人々の差異を無視して一律平等に扱うという結果の平等まで求めるものではない」


と当たり前のことが明記されたのは、地方の条例によってジェンダー・フリーが推進され、男らしさ、女らしさが否定されたり、専業主婦が貶められたり、行きすぎた性教育が行われたからであり、条例が偏った思想を持つ人々によって悪用されたのは記憶に新しいところです。(注:今、第二次計画を覆して、反対意見の多い夫婦別姓や、中絶を権利だとするような内容の第三次計画が閣議決定されようとしています)

■ 第2に、各地の自治基本条例では、住民投票の規程を設けている条例が多く見られますが、その請求権や投票権を未成年者や外国人にまで認めている例があります。未成年者に認めている自治体は18歳以上に投票権を与えている自治体が多いのですが、中には大和市のように16歳以上という自治体もあります。

 確かに憲法改正のための国民投票法案は、投票権を18歳以上に引き下げましたが、未だに選挙権は20歳以上であり、未成年者に義務の免除があって法的行為能力に制約があることを考えれば、特に重要な事案について実施される住民投票の投票権を未成年者に与えることは問題があると言わざるを得ません。

 また、外国人に対して投票権を与えている自治体も、条文に外国人と明記している自治体を始め、「市民」の定義に国籍条項がなく、解釈によっては市民に永住外国人を含むと考えられる自治体を含めると数多くあります。

 地方自治法では条例の制定や改廃などに関する住民投票の請求や投票の権利を、選挙権と同様に「日本国民たる住民」に限定しているのに、地方自治体の住民投票において外国人に請求権や投票権を与えることは国の法律を軽視することになりかねず、また自治体の重要事項、更には国の安全保障に関わる問題を図る住民投票に外国人の投票権を認めることは国民主権にも反しています。

 また、国政レベルで外国人参政権に反対が多く、まだまだ法制化されないことを考えると、それに反して地方自治体で外国人に住民投票の投票権を与えることには問題があると言えるでしょう。(外国人参政権問題については、※印参照)

 因みに函館市の場合は自治基本条例の第10条で

「議会の議決を経て制定された条例で定めるところにより、住民投票を実施することができます」

として、同条第2項で

「前項の条例には、投票に付すべき事項、投票をすることができる人など住民投票の実施に必要な事項を定めるものとします」

としていますが、生駒市も条例第44条で

「直接市民の意思を確認するため、市民投票の制度を設けることができる」

として、現在、外国人参政権も含む市民投票条例を制定しようとしていますので、函館でも同じようなことが起こらないとは限りません。パブコメではこんな意見がありました。

「地方自治法で条例の制定や改廃などに関する住民投票の請求や投票の権利を、選挙権と同様に「日本国民たる住民」に限定しているのと比べると、選挙権を有する者、或いは日本国民という限定がなく、市内に住所を有すれば外国人でも構わないと解釈出来、地方自治法に違反する恐れがあると考えられます」

※外国人参政権問題について
①税金を払っているから選挙権を与えても良いという主張がありますが、納税は公共サービスの対価であって、選挙権等の有無とは関係ありません。納税を理由とするなら、税金を納めていない学生や低所得者には参政権が与えられないことになり、普通選挙制度の否定につながります。選挙権はじめ参政権は、「国民」として当然かつ固有の権利です。
②最高裁で外国人への選挙権が認められたという主張もありますが、平成7年に在日韓国人が日本の参政権を求めた最高裁判決で棄却されています。この判決文の傍論(何の法的拘束力もありません)に、「地方参政権を認めるのは禁止されていない」という判決主文と全く矛盾する裁判官の個人的な意見があるだけです。

■ 第3に、各地の条例には自治基本条例を「最高規範」として、他の条例に基本条例との整合性を求めているものが多くあります。つまり、様々な問題が指摘されている自治基本条例の理念を自動的に他の条例にも及ぼそうということです。生駒市の場合は第3条で

「この条例は・・・最高規範であり、市は、他の条例等の制定改廃に当たっては、この条例を尊重し、整合を図らなければならない」

としていますし、函館市の場合は第3条第2項で

「条例、規則等の制定、改正または廃止に当たっては、この条例との整合を図らなければなりません」

と規定しています。しかし、地方自治法では条例の上下を規定する条文はありませんので、最高規範とすることができるのかどうかすら疑問です。

 更には地方自治体の条例ばかりか、基本条例の理念に合わなければ国の法律まで変えようとする動きさえあります。大阪府岸和田市の自治基本条例第30条では

「市は、国及び大阪府と対等の関係にあることを踏まえ、適切な役割分担を行い、自立した地方自治を確立するよう務める。」

とありますが、自治基本条例の制定を推進している地方自治総合研究所の辻山幸宣氏は、『自治基本条例はなぜ必要か』の中で、

「自治体運営の基本原則」について、「市民の思いを実現していくために、今の法律の書き方が本当に問題だというときには、条例で正しい書き方をしてもいいのです。その先の扱いは国と地方との争いですから、市長が責任を持って国・地方係争処理でやるなり、国と裁判をやるなりして処理すればいいので、始めから法律に書いてあることとぶつかるようなことは書けないんだと決めてかかる必要はない。」

と述べており、こうした考え方の影響を受けたのでしょう。

 また、そうした国との対立姿勢を念頭においているのか、国防問題に関わることまで条例に定めている自治体もあります。大和市自治基本条例には第8章(厚木基地)として

「第28条 市長及び市議会は、市民の安全及び安心並びに快適な生活を守るため、厚木基地の移転が実現するよう努めるものとする。
 2 市長及び市議会は、国や他の自治体と連携して、厚木基地に起因して生ずる航空機騒音等の問題解決に努めなければならない。」


とありますが、地方自治体の権限を超えていないでしょうか。

■ 第4に、間接民主制の否定や議会軽視の危険性がある点が挙げられます。住民投票は一種の直接民主制であり、「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し」と憲法前文で定めた議会制民主主義の理念に反するものです。また「市民参加」「協働」などという言葉で、市民が市政に参加するようなイメージを与えていますが、ごく普通の一般市民は、選挙によって市政を市議会議員に託しているからこそ、仕事や生活に専念しているわけで、議会を軽視するような市民参加や協働は、議会で多数派を取れない左派や一部の所謂プロ市民の自己実現のための手段となりかねません。

 また、議会では十分に議論して結論を導くのに比べ、二者択一となることが多い住民投票では極端な結果に陥りやすい危険性もあります。

 平成18年3月に厚木基地の空母艦載機受け入れについて山口県岩国市で実施した住民投票も圧倒的多数で移転反対という結果が出ましたが、地元への基地の受け入れの是非だけを問えば、住民としては反対したいのが当然です。しかし、事は国防に関することであり、また単純に受け入れるか否かというだけの問題ではなく、結局その後行われた岩国市での市長の出直し選挙は、反対派の現職が敗れ、受け入れを認め市民生活の活性化を訴えた新市長を住民は選択しました。


自治基本条例については「草莽崛起」さんでも詳しく取り上げていますので、こちらもご参照下さい。
「左派に牛耳られかねない自治基本条例の制定」

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この記事へのコメント

天誅
2010年11月30日 22:56
外国人に参政権を与えるのはおかしい。
市民は住民に決まっている。
男と女は性別が違うのだから性差が常識。
未成年は未なんだから投票できない。
 お偉いさんや変な考えをもったやつが
世の中をおかしくしている。
落蹲
2010年12月01日 16:00
天誅さん、コメント有り難うございます。
> 変な考えをもったやつ
の声が大きいので、そちらに引っ張られがちですが、何か変だと思っている方も多いはずだと思います。

少しずつですが、更新していければと思いますので、宜しくお願いします。


自治基本条例の真実
2011年01月05日 07:03
お早う御座います。

現在、各所で自治基本条例なるものがコピーの様に制定されていっています。

本当にコピーの様で文言が全く同じの条例が殆どであり、地域と住民の特徴をもって地域を盛り上げて行こうと言う目的の筈なのに、是は一体何故なのか、、と疑問を持っています。

住民の自治の話なのに特徴が全く無く、第三者からの指示の様になって、一から十まで他の自治体と同じ文言。。。如何作ればこうなるのか、いかにいい加減に作られているのかを感じ取って下さい。
その危険性を良く理解して頂きたいのです。

ちなみに1/13には東京、板橋区の自治基本条例の為の傍聴会が開かれます。
皆さん、ご参加して下さい。
申込みは此方です。

http://www.city.itabashi.tokyo.jp/c_kurashi/031/031271.html
.
落蹲
2011年01月09日 17:20
自治基本条例の真実さん、コメント有り難うございます。
仰る通り、住民が一から作っていることを謳っているのに、どこも同じような条文ですよね。検討委員会に入っている専門委員がくせ者なのではないでしょうか。

自治基本条例については「外国人参政権に反対する会」さんでも詳しく取り上げていらっしゃいます。
http://www.geocities.jp/sanseiken_hantai/

また、産経新聞でも記事になりました。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/110107/plc1101071436012-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/110108/crm1101082210010-n1.htm

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