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zoom RSS 人口減少社会の未来予想

<<   作成日時 : 2017/08/12 11:36  

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 拙ブログでも少子化については、安宅川佳之氏の「家族と福祉の社会経済学」や松田茂樹氏の「少子化論」をご紹介しながら考えてきましたが、今回は、河合雅司氏の「未来の年表 人口減少日本でこれから起きること」(講談社現代新書)を読んでみました。河合氏は産経新聞の論説委員でもあり、同紙の「日曜講座 少子高齢時代」なども執筆されていますので、ご覧になっている方も多いと思いますが、本書はこれまでの河合氏の論説を具体的に未来の年表という形にしたもので、データを分析して何年後にどのような事態が予想されるのかを提示されています。

 その中には、「輸血用血液が不足する」「百貨店も銀行も老人ホームも地方から消える」「深刻な火葬場不足に陥る」などのショッキングな予想もありますが、ほぼ間違いなく現実となるのではないでしょうか。

 「未来の年表」では多少のベビーブームが起こったくらいでは少子化の流れは変わらないとして、その理由を次のように述べています。

 合計特殊出生率が改善しても出生数の増加にはつながるどころか、むしろ減っていくからである。これまでの少子化の影響で「未来の母親」となる女児の数が減ってしまっているためである。

 として、過去のデータによって次のように説明しています。

 合計特殊出生率が過去最低だったのは2005年の1.26%。これと最新データである2016年の1.44とを比較すると、0.18ポイント回復している。これだけを取り上げれば少子化は改善に向かったと言えよう。ところが、年間出生数で比べると8万5551人も減っている。実際には少子化は進んでいたわけだ。

 拙ブログでは、これをもう少し詳しく見てみたいと思います。下記のデータは厚生労働白書等によるものですが、昭和41年の丙午の年を下回ったとして少子化問題が大きく取り上げられた平成元年から同10年までに合計特殊出生率は0.19ポイント減少していますが、出生数は43655人減と小幅になっていて、「未来の年表」で説明されています平成17年から同28年に合計特殊出生率が0.18ポイント増加したのに出生数が85551人も減ったのと対照的です。

 そこで、それぞれの25〜30年位前を見てみますと、昭和35〜50年ころ出生数が大きく増えていますが、昭和51年〜平成3年ころは合計特殊出生率が急減して出生数も大きく減っているのがわかります。これが「未来の年表」で指摘されている「これまでの少子化の影響で「未来の母親」となる女児の数が減ってしまっている」ということなのです。合計特殊出生率が回復しても、その時母親となる人数は、その母親が生まれた時代に決まってしまっていて、母親となる女性の減少は今後も続き、例え合計特殊出生率が人口置換水準の2.07を回復したとしても、回復した年に生まれた女性が母親になる年代にならなければ人口減少はストップしないのです。

 そこで、「未来の年表」では人口減少が避けられない事実として、「次世代のために、いま取り組むべきこと」として「日本を救う10の処方箋」を提案しています。「戦略的に縮む」「豊かさを維持する」などの緩和策が中心ですが、10番目に「少子化対策」として、第3子以降には子供1人につき1000万円規模を給付することが提案されています。こうした案は、以前ご紹介したレジリエンスジャパン推進協議会の中の「均衡ある人口基盤の強靱化へ向けた対策検討ワーキンググループ」の提言の中にも見られます。

 このような施策を、少子化問題が取り上げられた1.57ショックの時から行っていれば、現状は少しは違ったものとなり、未来の年表も、もう少し緩やかな予想になったのではないでしょうか。ただ、実際には1.57ショック以降、様々な少子化対策も行われてきましたが、男女共同参画と並行或いは一緒にされて実施され、働く女性の支援が中心だったことは、これまで見てきた通りです。

 拙ブログ「少子化」に関する記事 
 http://kodomo-hakodate.at.webry.info/theme/16eb3e4e06.html 



年 出生数 合計特殊出生率
昭和35年 1,606,041 2.00
昭和36年 1,589,372 1.96
昭和37年 1,618,616 1.98
昭和38年 1,659,521 2.00
昭和39年 1,716,761 2.05
昭和40年 1,823,697 2.14
昭和41年 1,360,974 1.58
昭和42年 1,935,647 2.23
昭和43年 1,871,839 2.13
昭和44年 1,889,815 2.13
昭和45年 1,934,239 2.13
昭和46年 2,000,973 2.16
昭和47年 2,038,682 2.14
昭和48年 2,091,983 2.14
昭和49年 2,029,989 2.05
昭和50年 1,901,440 1.91
昭和51年 1,832,617 1.85
昭和52年 1,755,100 1.80
昭和53年 1,708,643 1.79
昭和54年 1,642,580 1.77
昭和55年 1,576,889 1.75
昭和56年 1,529,455 1.74
昭和57年 1,515,392 1.77
昭和58年 1,508,687 1.80
昭和59年 1,489,780 1.81
昭和60年 1,431,577 1.76
昭和61年 1,382,946 1.72
昭和62年 1,346,658 1.69
昭和63年 1,314,006 1.66
平成元年 1,246,802 1.57
平成2年 1,221,585 1.54
平成3年 1,223,245 1.53
平成4年 1,208,989 1.50
平成5年 1,188,282 1.46
平成6年 1,238,328 1.50
平成7年 1,187,064 1.42
平成8年 1,206,555 1.43
平成9年 1,191,665 1.39
平成10年 1,203,147 1.38
平成11年 1,177,669 1.34
平成12年 1,190,547 1.36
平成13年 1,170,662 1.33
平成14年 1,153,855 1.32
平成15年 1,123,610 1.29
平成16年 1,110,721 1.29
平成17年 1,062,530 1.26
平成18年 1,092,674 1.32
平成19年 1,089,818 1.34
平成20年 1,091,156 1.37
平成21年 1,070,035 1.37
平成22年 1,071,304 1.39
平成23年 1,050,806 1.39
平成24年 1,037,101 1.41
平成25年 1,029,800 1.43
平成26年 1,003,539 1.42
平成27年 1,005,677 1.45
平成28年 976,979 1.44




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