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zoom RSS 第4次男女共同参画基本計画策定について その4

<<   作成日時 : 2015/05/02 06:08   >>

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 これまで3回にわたって第3次男女共同参画基本計画の内容について見てきましたが、今回は第10分野「生涯を通じた女性の健康支援」について見てみたいと思います。この分野は性と生殖の健康・権利(リプロダクティブ・ヘルス/ライツ)についての問題があるところですが、3回前の記事でご紹介したように、第2次基本計画では、

*性と生殖の健康・権利(リプロダクティブ・ヘルス/ライツ)
 性と生殖の健康(リプロダクティブ・ヘルス)とは、平成6年(1994年)の国際人口/開発会議の「行動計画」及び平成7年(1995年)の第4回世界女性会議の「北京宣言及び行動綱領」において、「人間の生殖システム、その機能と(活動)課程のすべての側面において、単に疾病、障害がないというばかりでなく、身体的、精神的、社会的に完全に良好な状態にあることを期す」とされている。
 性と生殖の権利(リプロダクティブ・ライツ)とは、「性と生殖の健康(リプロダクティブ・ヘルス)を得る権利」とされている。
 なお、妊娠中絶に関しては、「妊娠中絶に関わる施策の決定またはその変更は、国の法的手順に従い、国または地方レベルでのみ行うことができる」ことが明記されているところであり、我が国では、人工妊娠中絶については刑法及び母体保護法において規定されていることから、それらに反し中絶の自由を認めるものではない。


という注意書きが記載され、リプロダクティブ・ライツは、我が国では中絶の自由を認めるものではない、としています。このことについては、拙ブログでも以前ご紹介しましたが、男女共同参画社会基本法が制定される前、平成8年に男女共同参画審議会が「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」について法務省、厚生省からヒアリングを行った際に、法務省は、

「胎児もまた生命を持ったものとして保護する必要があり、その軽視は人命軽視につながるおそれがある」

厚生省は、

「特に中絶については、胎児の生命保護も一つの大きな法益ですし、一方で、親の選択の自由や健康という面もあり、二つの大きな権利が拮抗するときにどのように調整していくのかということになり、必ずしも一方のみから考えるわけにはいきません」

と答えていますし、平成14年7月22日の衆議院決算行政委員会では、「思春期のためのラブ&ボディBOOK」という冊子が中学生にピルを勧める、あるいはフリーセックスをあおるような内容であることが問題にされ、児童の権利条約にも胎児の生命権が認められていることを指摘されて、板東真理子内閣府男女共同参画局長が、

「男女共同参画基本法が制定される前の男女共同参画審議会の答申におきましても、リプロダクティブヘルスについては、生涯を通じた女性の健康ということで、大事だという合意はされているんですけれども、ライツについては、いろいろな意見があるというふうな記述になっております。
 国際的な場でもリプロダクティブライツについてはいろいろな議論が行われていることは、今御指摘のとおりでございます。」

と答えています。

 ところが、第3次基本計画では、第2次基本計画にあった注意書きが削除されたばかりか、具体的な施策として、

少子化の進展や科学技術の進歩等の中で、人工妊娠中絶・生殖補助医療に関する法制度等の在り方について、多様な国民の意見を踏まえ、検討が行われる必要があり、その議論に資するよう、必要に応じ実態の把握等を行う。

として、人工妊娠中絶に関する法制度について検討が必要だとまでされています。また、基本計画の前段の7月の答申では、リプロダクティブ・ヘルス/ライツについて欄外で次のような説明がなされていました。

リプロダクティブ・ライツ(性と生殖に関する権利)は、「すべてのカップルと個人が自分たちの子どもの数、出産間隔、並びに出産する時を責任をもって自由に決定でき、そのための情報と手段を得ることができるという基本的権利、並びに最高水準の制に関する健康及びリプロダクティブ・ヘルスを得る権利とされている。

 この考え方は、自己決定権(オートノミー)と呼ばれるもので、拙ブログでも子どもの権利条例の問題点の中で指摘させて頂きましたが、子どもの権利条例の問題としては、この考え方が、生徒人権手帳の中の「遅刻をしても授業を受ける権利」「飲酒・喫煙を理由に処分を受けない権利」「セックスするかしないかを自分で決める権利」「子供を産むか産まないかを決めるのは女性自身の権利」「日の丸・君が代・元号を拒否する権利」などに表れています。

 子供を産むか産まないかを女性が決める権利、或いは中絶する権利などは、第2次基本計画で指摘されているように国内の現行法に反する問題もありますし、オートノミーの権利を含む児童の権利条約でさえ、胎児の生命権が認められていますので、そのこととの問題もあり、男女共同参画だけで決められる問題ではないのではないでしょうか。

 また、この問題については、山谷えり子参議院議員が、平成22年10月29日付の質問主意書で、

四 第二次基本計画では、「人工妊娠中絶については刑法及び母体保護法において規定されていることから、それらに反し中絶の自由を認めるものではない」と明記してあるが、答申では、「『すべてのカップルと個人が自分たちの子どもの数、出産間隔、並びに出産する時を責任をもって自由に決定でき、そのための情報と手段を得ることができるという基本的権利、並びに最高水準の性に関する健康及びリプロダクティブ・ヘルスを得る権利』とされている」と記述されている。わが国の法律では、人工妊娠中絶は禁止されており、答申の記述は日本における「リプロダクティブ・ヘルス」の解釈を逸脱するものと考えるが、政府の見解を示されたい。

(政府答弁)
四について
御指摘の答申の記述については、平成七年に開催された第四回世界女性会議において我が国を含む百八十九か国により採択された行動綱領(以下「北京行動綱領」という。)において、「妊娠中絶に関わる施策の決定または変更は、国の法的手順に従い、国または地方レベルでのみ行うことができる。」とされていることから、国内法に反して中絶する自由を認めるものではないと認識している

五 答申では、「『リプロダクティブ・ヘルス/ライツ』(性と生殖に関する健康と権利)の考え方が認識されてこなかった」とあるが、この場合の「ライツ」とは、中絶を権利として捉え、胎児の生命権を認めないことを意味するとして、国際社会では異論がある。それ故、第二次基本計画では、そういう意味での「ライツ」の表現はしていない。どのような経緯で、この表現が答申に記述されることとなったのか示されたい。

(政府答弁)
五について
御指摘の記述については、専門調査会において、北京行動綱領の「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」に関する記述を踏まえ、答申案に盛り込まれたものと承知している。

六 答申では、「人工妊娠中絶・生殖補助医療に関する法制度について、多様な国民の意見を踏まえた上で検討が行われる必要がある」と記載されているが、どういう経緯で人工妊娠中絶等の法改正に言及することとなったのか、説明されたい。

(政府答弁)
六について
御指摘の記述については、専門調査会において、我が国の生殖補助医療等の現状を踏まえ、答申案に盛り込またものと承知している。


として取り上げていますし、12月10日付の質問主意書でも、次のように取り上げています。

十三 「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」(七十七頁)は中絶の権利を含むものとして、第二次男女共同参画基本計画に記されていない。「ライツ」をあえて書き記した理由をしめされたい。

(政府答弁)
十三について
御指摘の記述は、答申を踏まえて記載したものであり、国内法に反して中絶する自由を認めるものではない。



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