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zoom RSS 第4次男女共同参画基本計画策定について その3

<<   作成日時 : 2015/04/30 07:51   >>

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 前回、第3次男女共同参画基本計画の第2分野「男女共同参画の視点に立った社会制度・慣行の見直し、意識の改革」について見ましたが、今回は第4分野「雇用等の分野における男女の均等な機会と待遇の確保」について見てみたいと思います。第4分野の基本的考え方は次のように記載されています。

 就業は生活の経済的基盤であり、また、働くことは自己実現につながるものでもある。働きたい人が性別に関わりなくその能力を十分に発揮することができる社会づくりは、ダイバーシティの推進につながり、経済社会の活力の源という点からも、極めて重要な意義を持つ。
 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(昭和47 年法律第113号。以下「男女雇用機会均等法」という。)の基本的理念である雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を実現するため、同法の履行確保はもとより、ポジティブ・アクションの推進等による男女間格差の是正、男女間賃金格差の解消、雇用処遇体系の見直し、「M字カーブ問題」の解消に向けた女性の就業継続や再就職に対する支援などに取り組んでいく必要がある。
 また、パートタイム労働などの非正規雇用は、多様な就業ニーズにこたえることで女性の能力発揮を促進するという積極的な意義もある一方、男性に比べて女性の非正規雇用の割合が高い現状においては、女性が貧困に陥りやすい背景の一つとなっているほか、正規雇用と非正規雇用の間の格差は、男女間の格差の一因になっているという問題もある。このため、非正規雇用の雇用環境の整備に向けた一層の取組が必要である。
 さらに、雇用分野だけでなく、経済の牽引者としての女性の役割を認識し、女性による経済活動の機会を創造する観点から、起業や自営業などの分野においても男女が均等な機会の下で一層活躍することができるようにする。

 同じ雇用に関する分野は、第2次基本計画では「3.雇用等の分野における男女の均等な機会と待遇の確保」で取り上げられ、その目標には次のように記載されています。

 就業は人々の生活の経済的基盤を形成するものであるとともに、働くことによって達成感が得られ自己実現につながるものであり、男女共同参画社会の実現にとってこの分野は極めて重要な意味を持っている。働きたい人が性別にかかわりなくその能力を発揮できる社会づくりは、男女の基本的人権に深くかかわるとともに、少子化が進展し労働力不足が懸念される現状において、多様な人材の活躍を促し経済社会の活力の源となるものである。
 女性労働者が性別により差別されることなく、かつ、母性を尊重されつつ充実した職業生活を営むことができるようにするという「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」(以下「男女雇用機会均等法」という。)の基本的理念にのっとり、国際規範・基準とも調和した実質的な男女均等を実現するためには、公平・公正で透明な評価制度を確立し、性別にとらわれず、職務や個人の能力に基づく雇用管理の実現を図ることが必要である。それとともに、近年、パートタイム労働者、派遣労働者等非正規雇用が増加しており、これらの労働者に職務や能力に応じた適正な処遇・労働条件が確保されることが必要である。また、女性の起業への関心が高まっており、その支援が望まれている。
 雇用、起業等の分野において女性が男性と均等な機会の下で、一層活躍できる状況を実現し、安心して働き生活できるよう、施策を積極的に展開する。

 同じような文章に見えますが、大きく違うところが2カ所あります。1つ目は、第2次基本計画にあった「母性を尊重されつつ」という文言が削除されました。男女雇用機会均等法の説明としてあるかないかだけのようですが、第2次基本計画では、施策の基本的方向としても「母性健康管理対策の推進」が掲げられ、具体的施策にも「母性保護等に関する法律及び指針の周知徹底等」が挙げられています。その母性の尊重が第3次基本計画では消えてしまいました。

 2つ目は、第3次基本計画には、「ポジティブ・アクションの推進」「『M字カーブ問題』の解消」という文言が入れられたことです。ポジティブ・アクションについては、第2次基本計画では、注意書きとして「男女の実質的な機会の平等を目指すものであり、様々な人々の差異を無視して一律平等に扱うという結果の平等まで求めるものではない。」とされていましたが、第3次基本計画では、その注意書きはありません。また、M字カーブについては、男女共同参画では以前から取り上げられてきてはいても、第2次基本計画には文言としてはありませんでしたが、第3次基本計画では、第1部の基本的な方針に「『M字カーブ問題』の解消」とあるのを始め、第2部の施策の基本的方向と具体的施策では、上記で紹介した第4分野を始め、第5分野「男女の仕事と生活の調和」、第7分野「貧困など生活上の困難に直面する男女への支援」でも取り上げられています。

 M字カーブ問題については、以前拙ブログでも取り上げたことがありますので、データなど詳細はそちらをご参照頂きたいと思いますが、子供が小さいうちは育児に専念したいという女性が多いことの表れであって、これを解消することは多くの女性が望んでいないと思います。

《M字カーブに関連する拙ブログ》
M字カーブ問題
三歳児神話について
保育ママ制度について
少子化対策を考えるA ー家族は変わったかー
配偶者控除の見直しについて
女性に関する政策について・・・櫻井よしこ氏の指摘
女性の活躍推進に関する世論調査
女性の活躍推進に関する世論調査2

 M字カーブ問題については、山谷えり子参議院議員が、平成22年12月10日付の質問主意書で取り上げています。

七 本案三十六頁に「М字カーブ問題」として、М字カーブを問題、つまり悪いことのように記しているが、平成二十二年厚生労働白書では一歳までは子育てに専念(育児休業を含む)したい(八十八・一%)、平成二十年全国家庭動向調査では、「子どもが三歳くらいまでは母親は仕事を持たずに育児に専念した方がよい」と考える二十代、三十代の女性は、約八割、四十代から六十九才では約九割いる。この多くの女性達の気持ちをどう考えるか。

(政府答弁)
七について
政府としては、就業継続を希望しながら出産、子育て等のために就業を中断せざるを得ない女性も多いことから、多様な生き方を尊重することを前提に、育児休業の取得など各人がそれぞれ希望する生き方において、その能力を十分に発揮できるようにすることが重要であると考えている。

八 子育てに専念したい女性を支援することを政治のつとめと考えないか。在宅勤務や短時間勤務、育児休業取得の支援をもっとすべきではないか。

(政府答弁)
八について
政府としても、子育てを行う男女を支援することは重要であると考えており、事業主を対象としたセミナー等の実施により在宅勤務の普及促進を図るとともに、本年六月に改正された育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成三年法律第七十六号)の円滑な施行や職業生活と家族生活との両立に取り組む事業主への支援により、育児休業制度や短時間勤務制度の利用促進等を図っているところである。

九 三つ子の魂百までと言われる愛着の形成には、家庭育児が大切なことが最近の脳科学でもわかりはじめているが、どう考えるか。

(政府答弁)
九について
お訪ねの「家庭育児」により場合も含め、子どもの健やかな成長は大切であり、その支援は重要であると考えている。

 また、前回ご紹介しました正論平成22年12月号「『男女共同参画』という家族解体革命が再始動する」で、岡本明子氏も次のように述べています。

 第四分野「雇用等の分野における男女の均等な機会と待遇の確保」では、「M字カーブの解消」(女性が出産育児期に仕事を辞めるために二十代後半から四十歳位までの間の女性の就業率が下がるためにM字になる)、或いは「『M字カーブ問題』の解消」という言葉が何度も繰り返し出てくる。「男女共同参画会議」(閣僚と有識者議員で構成されている)の中でもまた、M字カーブ叩きが繰り返されている。「M字カーブというものは、まだ日本には残っているという現実がございます」(鳩山元総理)。「M字型カーブをなくすことだと思います。これは言わば共働きで、子育てをしながら働き続けるのが当たり前という社会にすることだと思います」(岩田喜美枝資生堂代表取締役副社長)。「M字カーブを解消するためには、個人的には長時間労働に対する規制が不可欠だと考えておりま
す」(勝間和代氏)。「このM字のへこんでいるところにたくさんの問題が入っている」(福島瑞穂元大臣)。

 第一子出産を機に退職する女性たちが、M字カープの凹みを作っていることが批判攻撃の的となっており、「主婦」とともに「母」もまた周縁化されようとしている。第二次基本計画では、「母性健康管理対策の推進」という施策があったのだが、第三次基本計画案には母性を大事にするような施策は全く見られない。フェミニストは、主婦や母や母性が大嫌いなのだから当然ではあるけれども。

 第五分野「男女の仕事と生活の調和」では、「延長保育、休日保育、夜間保育、病児・病後児保育、複数企業間での共同設置を含む事業所内保育等の多様な保育」など、主婦や母性を否定して「子育ての社会化」、「介護の社会化」を過激に進めようとしている。そして、「女性が働くのは家計補助の目的であるという」意識は、「固定的性別役割分担意識」であると位置づけられて、主婦も母も、女性たちは就業へと囲い込まれようとしているのである。

 このM字カーブについて、昨年の男女共同参画白書では、

 女性の世代ごとの労働力率を見ると,若い世代ほど,M字カーブの2つの山が高くなると同時に谷が浅くなり,かつ,谷が右方向にずれている。

と解説しています。これについては以前にも指摘させて頂きましたが、未婚率が上がって底が浅くなり、晩婚化が進んで谷が右方向にずれていることを表しているのではないでしょうか。また、同白書では、配偶者の有無別の女性の労働力率も調査していますが、この有配偶の女性の労働力率をみますと、ほとんどの年齢階級で20〜39歳で40%前後であるのが、40〜49歳で70%前後となって、結婚している女性は子育てが終わってから働いていることを示しています。

 平成11年に男女共同参画社会基本法が制定されてから、毎年多額の予算を使って男女共同参画を推進してきたにも関わらず、M字カーブが解消されないのは、多くの女性が子供が小さいうちは子育てに専念したいと考えているからではないでしょうか。

 第2次基本計画には「『「ジェンダー・フリー』という用語を使用して、性差を否定したり、男らしさ、女らしさや男女の区別をなくして人間の中性化を目指すこと、また、家族やひな祭り等の伝統文化を否定することは、国民が求める男女共同参画社会とは異なる。」という注意書きがありましたが、M字カーブの解消も、国民が求める男女共同参画社会とは異なると思います。
 


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