函館市の子どもの権利条例を考える

アクセスカウンタ

zoom RSS 第4次男女共同参画基本計画策定について その2

<<   作成日時 : 2015/04/28 08:23   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0

 前回取り上げたように、今年は、第4次男女共同参画基本計画策定の年にあたります。この基本計画策定を取り進めているのは、内閣府男女共同参画局で、その中に設置されている計画策定専門調査会が具体的に検討、準備を進めています。

 計画策定専門調査会は、昨年11月から開催され、すでに8回行われていますが、3月25日に開催された第8回計画策定専門調査会では、「第4次男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方(素案)【案】」が提出され、意見交換が行われています。その内容については改めて見てみたいと思いますが、今回は、前回取り上げた第3次男女共同参画基本計画策定の経緯に引き続き、第3次基本計画の内容について見てみたいと思います。

 第3次基本計画の第2分野「男女共同参画の視点に立った社会制度・慣行の見直し、意識の改革」では、施策の基本的方向として、

 多様なライフスタイルを尊重し、ライフスタイルの選択に対し中立的に働くよう社会制度・慣行を見直す。その際、核家族化、共働き世帯の増加、未婚・離婚の増加、単身世帯の増加などの家族形態の変化やライフスタイルの多様化に対応し、男性片働きを前提とした世帯単位から個人単位の制度・慣行への移行、男女が共に仕事と家庭に関する責任を担える社会の構築、国際規範・基準の積極的な遵守や国内における実施強化といった視点が必要である。また、女性の就業調整等を促す可能性のある制度の見直し、高齢期の経済的自立につながる制度・環境の整備が重要である。

とし、その具体的施策には、

ア 男女の社会における活動の選択に中立的な社会制度の検討
・税制、社会保障制度、家族に関する法制、賃金制度等、女性の就業を始めとする社会における活動の選択に大きな関わりを持つ諸制度・慣行について、世論の動向を把握し、様々な世帯形態間の公平性や諸外国の動向等にも留意しつつ、男女の社会(家庭を含む。)における活動の選択に対する中立性等の観点から総合的に検討する。

イ 税制の見直しの検討
・税制については、男女の社会における活動の選択に中立的な仕組みとしていくことが重要である。個人所得課税については、従来は片働き夫婦子二人世帯を標準世帯と考えて検討される側面が強かったが、今後は個人を中心とした考えを重視する必要がある。国民生活に与える影響に配慮しつつ、配偶者控除の縮小・廃止を含めた税制の見直しの検討を進める。

ウ 社会保障制度の検討
・社会保障制度について、男女の社会における活動の選択に中立的な仕組みとしていくことが重要である。新たな年金制度についても、パートタイム労働者への年金制度の適用の在り方も含め、この視点を十分に踏まえて検討を行っていく。その際、第3号被保険者制度を今後どのようにしていくかという問題は、年金制度の基本的な体系に関わるものであり、新たな年金制度に関する議論の中で幅広い観点から検討していく。

エ 家族に関する法制の整備等
・夫婦や家族の在り方の多様化や女子差別撤廃委員会の最終見解も踏まえ、婚姻適齢の男女統一、選択的夫婦別氏制度の導入等の民法改正について、引き続き検討を進める。
 また、再婚の増加等に伴う家族の在り方の多様化、少子化など時代の変化等に応じ、家族法制の在り方等について広く課題の検討を行う。

オ 政府の施策等が男女共同参画社会の形成に及ぼす影響についての調査等
@政府の施策等が男女共同参画社会の形成に及ぼす影響についての調査等
・政府の施策及び社会制度・慣行が男女共同参画社会の形成に及ぼす影響についての調査(以下「男女共同参画影響調査」という。)を実施する。また、地方公共団体に対して男女共同参画影響調査に関する情報提供を行い、地方での同様の取組を促す。
A職場・家庭・地域等における慣行の見直し
・職場・家庭・地域等様々な場における慣行のうち、男女の社会における活動の選択に中立的でない影響を及ぼすものについて、広くその見直しを呼びかける。

という内容が列記されています。ここで挙げられている、個人所得課税や配偶者控除、年金制度、夫婦別氏制については、第2次基本計画でも、

個人所得課税については、従来は片稼ぎ夫婦子二人世帯を標準世帯と考えて検討される側面が強かったが、今後は個人を中心とした考えを重視する必要がある。

配偶者控除については、引き続き検討を深める。

第3号被保険者制度を今後どのようにしていくかという問題は、年金制度の基本的な体系に関わるものであり、今後、年金制度の在り方に関する議論の中で幅広い観点から検討していく。

婚姻適齢の男女統一及び再婚禁止期間の短縮を含む婚姻制度の改正とあわせ、選択的夫婦別氏制度について、国民の議論が深まるよう引き続き努める。


とありましたから、それほど大きな変化があったわけではありませんが、基本的方向の中に「男性片働きを前提とした世帯単位から個人単位の制度・慣行への移行」を入れて強調していることや、第2次基本計画で、ジェンダーフリーは国民が求める男女共同参画とは異なるという注意書きがあったものが削除されたことが注目されます。また、第3次基本計画が閣議決定されるまでの過程で22年4月には中間整理、同年7月には答申が出されていますが、その中で、民法改正については、

夫婦や家族の在り方の多様化や女子差別撤廃委員会の最終見解も踏まえ、選択的夫婦別氏制度を含む民法改正が必要である。

と、閣議決定された基本計画にある「引き続き検討を進める」より踏み込んだ「必要である」という表現だったことも注目されます。

 こうした内容について、週刊新潮平成23年2月10日号の日本ルネッサンス第447回「家族解体の民主党・男女共同参画」で櫻井よしこ氏が次のように論評されています。

 この問題に詳しい岡本明子氏が問題点を指摘している。氏は「家族の絆を守る会」事務局長で、昨年5月、第3次基本計画中間整理に関する意見聴取に招かれ、参考意見を述べた。
 氏の指摘を要約すると、日本の社会問題の根底に家庭の崩壊、家族の絆の薄れがあるにも拘わらず、民主党の第3次基本計画は家族をさらにバラバラにする内容である点が最大の問題だということになる。そこには具体的に、夫婦や家族の在り方を大きく変える選択的夫婦別氏制度、そのための民法改正が必要だと断定し、「片働きを前提とした世帯単位の制度・慣行から個人単位の制度・慣行への移行」を進めるべきだと明記されている。
 「世帯単位から個人単位の制度・慣行へ」−−夫が働いて妻と子どもを養う形から、夫も妻も働くことを前提に、社会制度も価値観もすべて変えるというものだ。
 現在、夫も妻も当たり前のように働いている家族は多い。が、民主党はそれを夫婦単位、家族単位ではなく、夫と妻をバラバラの個人としてとらえる税制や社会を目指すべきだと主張する。共働きという形は同じでも、全く異なる税制や社会制度が必要だと、民主党は言っているのだ。
 福島氏らが作り上げた基本計画案だけに、民主党案を貫く価値観は、氏が明石書店から出版した共著、『楽しくやろう夫婦別姓』を貫く価値観と同じである。氏は現行の戸籍制度に代わって「将来は、みんな個人籍になるといいなと思う」と同書で書いている。
 岡本氏はこれを「『家族解体』を小難しく言い繕った表現」(『正論』2010年12月号)と喝破したが、的を射ているのではないか


その正論平成22年12月号「『男女共同参画』という家族解体革命が再始動する」で、岡本明子氏は次のように述べています。

 第二分野「男女共同参画の視点に立った社会制度・慣行の見直し、意識の改革」の選択的夫婦別姓については、次のように記述されている。「家族に関する法制について、夫婦や家族の在り方の多様化や女子差別撤廃委員会の最終見解も踏まえ、選択的夫婦別氏制度を含む民法改正が必要である」と、これも、初めて基本計画において法改正の必要にまで言及している。
 同じく第二分野では、基本計画としては初めて明確に、「片働きを前提とした世帯単位の制度・慣行から個人単位の制度・慣行への移行」という記述が入った。「世帯単位から個人単位へ」。これこそ、フエミニストの悲願である「家族解体」を小難しく言い繕った表現である。制度としては、税の配偶者控除や、年金における専業主婦向け第三号被保険者制度の廃止・縮小を視野に入れている。家庭を支える存在としての主婦に配慮してきた税や年金制度上の優遇措置を止めるということだ。
 「同性愛、両性愛等の性的指向」に配慮する施策も今回初めて登場した。「夫婦別姓の後はパクス法だ!(フランスで一九九九年に成立した法律。同性カップルも事実婚も通常の結婚と同等に扱う)」と主張してきた福島瑞穂氏の執念が反映されたものだと言える。
 その基本計画案は、人々の多様な生き方を認めようと言い、また男女共同参画は働く女性だけの支援をしているというのは誤解だと述べているが、実際は主婦を追い込んでいるのであり、彼らの好む言い方をするならば、主婦を「周縁」(社会的に重視されない、あるいは異端視される被差別的存在)化しようとしている。第二次基本計画では、社会での様々な生き方を尊重しようという時の「社会」の中に「家庭」が含まれ、主婦は生き方の選択肢の一つとされていたのだが、第二次案では「家庭」は排除されてしまった。多様な生き方を尊重するのならば、家庭に生きる道を閉ざすような施策を盛り込むべきではない。
 
 また、山谷えり子参議院議員が、平成22年10月29日付の質問主意書で、関連の質問をされていますので、ご紹介します。(女子差別撤廃委員会の見解の履行義務については拙ブログもご参照下さい。)

三 答申では、「国際規範に履行義務がある」と述べており、履行義務がある女子差別撤廃委員会の最終見解も踏まえ「民法改正が必要」との踏み込んだ記述がなされている。しかし、平成二十一年一月十三日に閣議決定された、谷岡郁子参議院議員提出の質問主意書に対する答弁書(内閣参質一七一第一号)では、国際規範の勧告への履行義務はないとしている。答申に書かれている履行義務は、政府見解と異なり、国民に混乱を生じさせる可能性があるため削除すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

(政府答弁)
三について
御指摘の「履行義務がある」との記述は、御指摘の「女子差別撤廃委員会の最終見解」について述べているものではなく、女子に対するあらゆる形態の差別の撤退に関する条約(昭和六十年条約第七号)等我が国が締結国である国際約束を念頭に置いて述べたものである。なお、御指摘の「女子差別撤廃委員会の最終見解」については、法的拘束を有するものではないと理解している

十一 家族は社会の基礎単位であり、家族を守る政策を推し進めることは重要である。
しかしながら、答申に、「配偶者控除の縮小・廃止を含めた税制の見直しの検討」や「世帯単位から個人単位の制度・慣行への移行」が記述されているのは、家族を守る政策の重要性を理解していないのではないか。
「世帯単位から個人単位の制度・慣行への移行」を進める政策を実行していけば、家族の解体にもつながっていくと考えるが、政府の考えを示されたい。また、家族を守る政策について、政府の考えを示されたい。

(政府答弁)
十一について
政府としては、共働き世帯の増加などの家族形態の変化やライフスタイルの多様化に対応するため、片働きを前提とした世帯単位の社会制度・慣行を、ライフスタイルの選択に中立的に働くように改め、男女が共に仕事と家庭に関する責任を担える社会を構築することが重要であると考えており、御指摘の「世帯単位から個人単位の制度・慣行への移行」を進める政策の実行が、家族の解体につながるとは考えていない
また、お尋ねの「家族を守る政策」の意味するところが必ずしも明らかではないが、男女共同参画社会基本計画法(平成十一年法律第七十八号)第六条においては、「男女共同参画社会の形成は、家族を構成する男女が、相互の協力と社会の支援の下に、子の養育、家族の介護その他の家庭生活における活動について家族の一員としての役割を円滑に果たし、かつ、当該活動以外の活動を行うことができるようにすることを旨として、行われなければならない。」と定められている。


 政府答弁の中で、「世帯単位から個人単位の制度・慣行への移行を進める政策の実行が、家族の解体につながるとは考えていない」とありますが、配偶者控除が廃止され、第3号被保険者制度が廃止され、夫婦別姓になって、家族は維持されるのでしょうか。少なくとも法的に保護される意味合いがなくなり、事実婚が増えるような気がします。また、同時に第3次男女共同参画はM次カーブの解消を掲げて、子育てをする専業主婦を標的にしていましたが、これについては、次回見てみたいと思います。




テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
なるほど(納得、参考になった、ヘー)

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
第4次男女共同参画基本計画策定について その2 函館市の子どもの権利条例を考える/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる