函館市の子どもの権利条例を考える

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zoom RSS 児童の権利条約に批准していない米国

<<   作成日時 : 2011/04/07 09:18   >>

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 東洋大学の森田明教授の著書「未成年者保護法と現代社会」によって、保護から自律へと変容した米国内での子供観や、米国のパターナリズム批判によるオートノミーの権利が条約に取り入れられたことをみてきましたが、そのように米国の大きな影響力の下で成立し採択された児童の権利条約に、未だに米国自身が批准していません。

 60年代、70年代に家族の崩壊と、それに伴う子供のオートノミーの権利の台頭を経験した米国では、その後、パターナリズムの崩壊への危機感が改めて起こっており、批准反対運動も改めて家族の理想を求めた米国で支持されたようです。

 そうした批准反対運動を牽引したのがP.シュラフリーやJ.P.ルシールで、森田氏はシュラフリーの論文「子どもの権利にしかけられた罠」(1991年)とルシールの論文「型破りの権利−子どもたちと国連」(1992年)を紹介しています。ルシールの論文の一部を引用しますと、

「もし合衆国がこの権利条約に署名し批准するならば、それはアメリカの家族にとっての悲劇であろう。他の類似した多くの文書と同様に、児童の権利条約は誤った権利概念−すなわち子どもたちの利益を最も損なうような概念の上に組み立てられている。(中略)権利条約に欠けているものは、家族の権利という基本的な概念である。(中略)すべての子どもは、少なくとも潜在的には、親と対立する者となり、兄弟たちとも権利を競う対立者となる。(中略)人間関係における人間的要素を破壊することによって、オートノミー、とりわけ子どものオートノミーの擁護者たちは、共同生活にとって必要な、人間の結びつきと共通の目標という原理を欠いた社会を創り出そうとしているのだ。」

と論じています。一方で米国内での家族の崩壊が深刻となり、家族的価値の再建を目指したことについて、森田氏は

「アメリカにおける『家族崩壊』がもはや単なる社会問題にとどまらない構造的問題であることが誰の眼にも明らかになり、公共の関心を強く引きつけ始めた(中略)ニューヨークタイムズは、93年度の婚姻外非嫡出子数が18歳未満の全米児童数の27%を占める630万人を記録したことを揚げ、『伝統的アメリカ家族の崩壊』を象徴するこの現象は『根本的な社会変動』を意味するものであり、(中略)アメリカ社会に極めて深刻な影響を与えつつあると論じている。こうした流れの中で94年11月には下院議員選挙で共和党が55年以来初めての多数派を占める。その政策目標の一つが“家族的価値の再建”であったことは記憶に新しい。」

と分析しています。また、95年には米国も児童の権利条約に署名をしました(批准はしていません)が、署名を受けて賛否両派の緊張が高まる中、条約の上院外交問題委員会への送付を阻止して批准手続をさせなかったのが、外交委員長J.ヘルムスの決議と反対演説であったことを紹介しています。反対演説の一部を引用しますと、

「(前略)この条約の12条は締約国に対して『自己の意見を形成する能力のある児童がその児童に影響を及ぼすすべての事項について自由に自己の意見を表明する権利を確保する。この場合において、児童の意見は、その児童の年齢及び成熟度に従って相応に考慮される』ことを要求しています。そもそも一体これは何を意味するものでありましょうか。合衆国はどの学校へ行くかを、親が子ども自身の選択に委ねなかったことの故をもって非難されるべきなのでしょうか。合衆国は家事をやり遂げるよう子どもに要求するに先立って、親が子どもの意見を聞かなかったことの故をもって非難されるべきなのでしょうか。(中略)国連の『権利条約』は、親がその子どもを育てるにあたって神から与えられた権利および責任と両立しません。この重要な権利を国連の役人に手渡してしまうなどということは、想像するだけでグロテスクなことであります。合衆国の法と伝統は、親がその子どもを養育し、自らの価値観と宗教的信念を子どもたちに伝えていく権利を確認しています。(中略)決議案の共同提案者は、児童の権利条約を断固として避難するものであります。」

 これ以降、批准法案は上院に提出されないでいるようですが、2002年には児童の権利条約の2つの選択議定書に批准していますし、オバマ大統領が批准を目指しているようなので、注視していかなければならないと思いますが、現状では、議員の中にも反対派が多いようです。それについて、「家族の絆を守る会」のブログが、「アメリカの上院議員31人は、国連児童権利条約を拒否 子供の監視責任は親にある」という、米国のFamily Watch Internationalという団体の情報を伝えています。

 また、シュラフリーの「子供の支配をたくらむ新世界秩序」(1993年)という論文を「児童の健全な育成を守るNGOネット」のブログが紹介していますので、こちらも是非ご覧頂きたいと思います。

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